今回はFXにおけるチャネルラインの使い方と手法について解説します。
チャネルラインはトレンドラインと似ており、使う人と使わない人、そして勝てる人とと勝てない人の差が激しいラインでもあります。
ですが、場合によってはチャネルラインがとても使える局面もありますので、参考にして下さい。
チャネルラインとは
チャネルラインとは、トレンドラインに平行なラインを追加して表示したラインです。
トレンドラインはローソク足の安値同士、もしくは高値同士を結んだラインです。
チャネルラインではこれに平行なラインをローソク足を挟んでトレンドの高値や安値に置きます。
言ってみればチャネルラインはトレンドラインに情報を追加したものですね。
基本はトレンドラインですので、トレンドラインを使用している方にチャネルラインの使用者が多いです。
チャネルラインの引き方
チャネルラインはトレンドラインがベースになります。
まずは「高値と安値を切り上げてるところで安値同士を結ぶ」もしくは「高値と安値を切り下げているところで高値同士を結ぶ」トレンドラインを引きます。
次に、トレンドラインと平行なラインをローソク足を挟んだところに引きます。
このラインをアウトラインと呼びます。
アウトラインを引く際は、アウトラインとトレンドラインの値幅が最大になるように注意しましょう。
その後、価格が押して来てトレンドラインで反発し、チャネル上限まで動いたら、そのチャネルは信頼性のあるものと判断します。
このチャートでは上限を少しブレイクしています。
チャネルラインの中のアウトラインはブレイクされやすいのが特徴です。
ここで、アウトラインをブレイクして戻ってきた場合はアウトラインを広げるやり方と、そのままにしておくやり方の2種類があります。
個人的にはアウトラインはそのままにしておく派ですが、好みやその時の相場に合わせてアウトラインを広げるやり方も悪くはないと思います。
そして、トレンドラインをブレイクしたらチャネルラインの終了です。
一般的には、チャネルラインをブレイクしたら、チャネルラインの値幅分だけ進むと言われています。
MT4でチャネルラインを引く場合
MT4を使っている場合は、トレンドラインをダブルクリックして選択した状態で、キーボードの「CtrL」ボタンを押しながらマウスのカーソルを動かすと、ラインのコピーが出来て便利です。
MT4には最初から「平行チャネル」という描画ツールも備わっています。
チャネルメインで描画したい場合は平行チャネルを使うことをお勧めします。
一方でトレンドラインをメインにして、チャネルが描けそうな時だけアウトラインを引きたい場合はトレンドラインのコピーがお勧めです。
チャネルラインの特徴
チャネルラインを利用することで、以下のようなことが分かります。
- チャネルラインの向きでトレンドの方向
- チャネルラインの角度でトレンドの勢い
- チャネルラインタッチで反転ポイント
- チャネルラインブレイクでトレンドの終了
それぞれについて分かりやすく説明します。
チャネルラインの向きでトレンドの方向が分かる
トレンドラインを引くだけでもトレンド方向が分かりやすくなるのですが、チャネルラインを引くことで、より視覚的にトレンド方向が分かりやすくなります。
例えば先ほど出したこのチャートは、上昇トレンドですよね。
チャネルが右肩上がりの状態を「チャネルアップ」と呼びます。
また、下のチャートは下降トレンドですよね。
チャネルが右肩下がりの状態を「チャネルダウン」と呼びます。
チャネルを利用することで相場の方向が明らかになるのが大きな利点です。
チャネルラインの角度でトレンドの勢い
チャネルラインの角度が90度に近いほどトレンドの勢いは強く、逆に0度に近いほどトレンドの勢いは弱くなります。
ただし、角度が急なほどブレイクされやすい傾向にあるので要注意です。
場合によっては急角度のチャネルラインがブレイクされた後、他のサポートで反転し緩やかな角度のチャネルラインを形成することもあります。
このチャートの水色のドットのチャネルラインは勢いがあったもののすぐにブレイクされました。
しかし、それから反発してもっと緩やかで大きなチャネルラインを形成しています。
チャネルラインタッチで反転ポイント
何度か反転したチャネルラインは、市場参加者から反転のポイントとしてみなされますので、トレンドラインタッチやアウトラインタッチで反発しやすくなります。
そのため、トレンドラインタッチしたらチャネルラインの方向へエントリーして、アウトライン付近で利食いするという戦略が生まれます。
ただし、アウトラインで逆張りするのは危険です。
トレンドの勢いが加速するとアウトラインをブレイクすることはよくありますので、チャネルラインはあくまでもトレンドフォロー用のツールと考えましょう。
トレンドラインブレイクでトレンドの終了
これはチャネルラインに限らずトレンドラインでも同じですが、ベースとなるトレンドラインをブレイクしたらトレンドの終了と考えます。
チャネルラインの理論としては、ブレイクしたらチャネルラインの値幅分だけ逆行するとされています。
しかし、必ずしもそうなるわけではなく、ブレイク後にすぐに反発して新たなチャネルラインを描くことも良くあります。
ボラティリティが分かる
綺麗なチャネルラインが引けた場合、その時の相場のスイングの大まかなボラティリティと今後の値幅が予測しやすくなります。
アウトラインが利食い目標になりますので、チャネル内でエントリーすれば、最大でどれくらいの利益が狙えるかも見えてきます。
チャネルラインを使ったトレード戦略
最後にチャネルラインを使ったトレード戦略を解説したいと思います。
利用するのは上位足として4時間足、執行時間足として15分足です。
4時間足でチャネルラインを引いて、そのピンポイントを15分足で仕掛けます。
トレード例1
まずは1つ目のトレード例です。
4時間足で何度か効いているトレンドラインに押してきたポイントに注目します。
このチャートでは少しトレンドラインを割り込んできていますが、それまで何度も反発しているので意識されているところです。
ここで15分足に切り替えます。
15分足はこのようになっていました。
4時間足の赤色のラインのチャネルまで割り込んでから反発し、4時間足チャネルの中で15分足レベルの小さいチャネルを形成しています。
ここを ブレイクした所で入ります。
上位足では押し目買いのポイントで、下位足ではチャネルを上にブレイクした所で買うわけですね。
角度の小さなチャネルはブレイク後大きく動くことがあり、しかもそれが底値圏であれば高リスクリワードレシオのトレードに繋がります。
利食いは4時間足のアウトラインで行います。
トレード例2
何度か反発している4時間足のトレンドラインを見つけます。
〇の個所は意識されやすいポイントですね。
ここに到達した所で15分足を見ます。
15分足ではダブルトップを作っていました。
ここでネックラインをブレイクした所でエントリーします。
このケースではエントリー後にすぐに利益が出て、4時間足のアウトラインに到達しました。
このように4時間足で機能しているチャネルを見つけて、15分足でローソク足のパターンやプライスアクションでエントリーすることで、「これから反転しようとする個所」で、ピンポイントのエントリーができます。
4時間足の反転ポイントで入るのでチャンスは少ないですが、優位性は高めなのでお勧めです。