ジャック・シュワッガーがインタビューした『新マーケットの魔術師』(パンローリング)に登場した凄腕トレーダーが明かす短期売買手法の実際。
アメリカではSTREET SMARTSというタイトルで出版され、プロからも大絶賛を受けた短期売買の本物の実用書。
(中略)
この一冊は自分自身の売買法を作る際の土台になってくれるだろう。
「新マーケットの魔術師」でインタビューを受けているリンダ・ブラッドフォード・ラシュキ氏やローレンス・コナーズ氏によるトレード手法解説書です。
価格が約3万円と書籍としてはかなり強気の価格設定ですが、それでも原著の販売開始時は世界中のトレーダーたちを大きく唸らせたそうです。
本書では、テクニカル分析をベースとした客観性の高い手法が10個以上紹介してあります。
全部FXで使えるというわけではないものの、トレードの参考になる情報は含まれているはずです。
価格は3万円、1999年初版
この本の価格は約3万円です。
日本語版の初版が出たのが1999年で、原著である英語版が出たのが1995年。
原著版から数えれば、既に25年が過ぎたことになります。
結構古い書籍と言えます。
さて、そんな本書ですが、実物を手に取ってみるとまずデカい。
縦約30センチ、横約20センチのハードカバーですので、重厚感と存在感が半端ないです。
中を開いてみると、文章でカツカツというよりは余白が目立つ感じで、チャートと解説が見やすくなっています。
簡潔な手法解説書
本書の目玉は何といっても豊富なトレード手法の解説です。
リンダ氏とコナーズ氏の二人のトレード手法を惜しみもなく公開してくれています。
どの手法も限りなく裁量を排除して客観性の高い形で手法を解説しているのが大きな特徴です。
なので、検証もしやすいですし、再現性も高いです。
後悔してある手法の中でも特にFXトレーダーの間でも有名なものを挙げると
- 聖杯
- タートル・スープ
- ウォルフ波動
などがあります。
それぞれについて少し解説します。
聖杯
聖杯とは、MAとADXを組み合わせたトレンドフォロー手法です。
ADXがトレンドを示しており、価格がMA付近まで押して反発を見せたらエントリーする、グランビルの法則を応用したものです。
詳しくは以下の記事で解説しています。
タートル・スープ
タートル・スープとは、リチャード・デニスとウィリアム・エッグハートの二人が作った投資集団「タートルズ」の手法を応用したものです。
タートルズの手法はドンチャンブレイクアウトシステムを利用したトレンドフォローですが、タートルスープでは、ドンチャンブレイクのダマシを利用して逆張りを仕掛ける手法です。
ウォルフ波動
ウォルフ波動とは、ビル・ウォルフ氏の考案したトレード手法です。
パターン系なので、本書の中では少し裁量の幅が大きい手法になります。ウォルフ波動は、パターンの認識方法がエリオット波動と似てはいますが使い方や考え方は異なります。
詳しくはググってもらえればどんなものかが分かると思いますが、高勝率の手法と言われています。
どれもよく知られたものばかり?
本書で公開してある手法は、今ではよく知られた手法が多いです。
しかし、おそらくこの本が出版されてから世界中でこれらの手法が知れ渡ったのではないでしょうか?
原著でも翻訳版でも、2005年くらいまでのアマゾンのレビューを見るとどれも高い評価となっているのがその証拠です。
確かにネットが普及した現在ではその魅力が薄れてきてはいますが、一般的に知られた手法のソースとしての価値はあると思います。
アマゾンレビューのレビュー
高いが価値はある
この本には、なぜ手法が機能するのか?といった疑問にも答えてくれています。
市場参加者の真理を読み解く一冊としても勉強になりますね。
シストレのヒントに
現在はこの本をベースにしてトレードシステムを構築した。
この本からトレードシステムを作り上げるのは楽ではないが、価値のある本だと言える
手法の解説が簡潔かつ明瞭で客観性のあるものばかりなので、応用すればシストレに活かすことも出来ますね。
個人的には、「裁量」の部分を極力排除する形で手法を解説しているからこそ、この本は人気が高いんだと思います。
戦略のデパート
どの手法もすぐに実践として使えるように具体的に明瞭に解説してある。
解説してある手法の数は本当に多いですからね。どれか一つでも徹底的に検証して、エッジを磨いてやれば勝ち続けられる手法になりそうです。
まぁ全部FXで使える手法かと言われたらそうでもないんですがwww。
高すぎ
無駄に大きくて値段が高い。
掲載してある手法もネットで無料で手に入るものが多い。
「世の中にある多くの手法が、この本で解説してある手法の派生型だと思える。」と言うレビューがあるように、本書に類似したネットで無料で手に入る手法も、元々は本書がベースになっているはずです。
確かに値段は高いですし、ネットが発達した現在では古臭い情報も多いですが、販売された当時の衝撃は大きかったのではないでしょうか?
そういった意味では、トレード手法の古典として評価して良いじゃないのかな?とは思います。高いけど。