前回の記事ではダウ理論について「トレンド判断基準方法」を中心に解説しました。
ダウ理論はやはり便利で優れている考え方だと個人的には思っています。
ただし、使いこなせるようになるには慣れと検証が必要です。
今回はその一環として、ダウ理論のトレンドについて演習していきましょう。
トレンドの転換ポイント
まずは下のチャートをご覧ください。
中央部分で下降トレンドが発生しています。
最後の安値を更新する前の山を抜けて来たポイントですね。
ここまで上げてきたときに下降トレンドは終わったと解釈します。
しかし、下降トレンドが終わった=上昇トレンド入りではありません。
この段階ではレンジになる可能性もありますし、再度安値を更新してくる可能性も否定出来ません。
高値も安値も切り下げる
下のチャートからご覧ください。
上昇トレンドだったのが分かりますか?
ラインを入れてみましょう。
ラインを入れるだけで相場の波がよく見えますね。
一番右端の時点では、最高値を更新する前の押し目の谷を割りましたので上昇トレンドが終了しています。
その後の動きです。
どうですか?見えますか?
上昇トレンドが終わってから再度上昇するも高値には遠く及ばず、更に下げています。
波を引いて見ましょう。
このようになるわけです。
上昇トレンドが終わるも再度上昇するが高値を超えられない。
そして直近の安値を割る。
こうなってしまうと下降トレンド入りです。
このチャートのような直近の高値を超えられず下げるパターンはヘッドアンドショルダーズのような形のようになることも多いですね。
勢いの無い波の後は崩れやすい
先ほどの例と似たような感じですが、下のチャートをご覧ください。
凄く勢いのあった上昇トレンドでした。
が、最後の波が非常に弱いのが分かるでしょうか?
波のラインを引いてみましょう。
第3波が大きい典型のようなチャートですね。
そして第5波で何とか高値を更新して直近の安値を割り込んで上昇トレンドが終了しています。
現時点では上昇トレンドが終了というだけで、下降トレンドではありません。
しかし、このチャートのような第3波が異様に大きくて第5波が小さい場合はその後トレンドが逆転する可能性が高いです。
その後の動きです。
決してキレイではありませんが、やはり下げています。
波のラインを引いてみましょう。
ゆっくり上げて一気にドーン!
最後にちょっと特殊なケースをご紹介します。
このチャートでは、ゆっくりと高値を更新し続ける上昇トレンドが続きました。
しかし、一番右では一気に下落しています。
下降トレンドの波を作る暇さえないレベルのナイアガラです。
基本的には相場は波を描くことが多いですが、何らかの要因で一気に動き出すことも多くあります。
ですから、何事も決めつけずに柔軟な視点を持ってチャートを分析していく必要があります。
ダウ理論の理解は難しくはない
以上、ダウ理論の理解を深めるための問題集でした。
別に難しいことはなかったと思います。
気を楽にしてやれば簡単なんです。
ただ、実際に自分がポジションを持とうとすると波のとらえ方が変わったりするリスクもあるのがダウ理論です。
こういったリスクを低減するためにも、できれば客観性の高い波のとらえ方を自分なりに考えておく必要があります。
次回の記事は以下のリンクからご覧ください。