ダウ理論のトレンドの考え方というのは基本的にはシンプルなのです。
しかし、トレーダーの中には「ダウ理論は難しい」と思っている人は少なくありません。
解説しているチャート画像を読んだときは「あ、そういうことか!」と分かったつもりでも、いざリアルに動いているチャートを目にすると「あれれ?」と思ってしまうことが多いのです。
それは何故なのでしょうか?
理由は色々と思い当たりますが、その一つとして波の定義が曖昧である事が挙げられます。
ダウ理論でトレンドかノントレンドかを決める際に必要となるのが、直近の高値安値で構成される「波」です。この波の定義次第では、同じチャートを見ていたとしても、トレンドの切り替わりが違って見えたりするんですね。
今回は波の定義によるトレンド判定の違いについて考えます。
ダウ理論についてよく知らない方は以下の記事をご覧ください。
上の二つの記事を読んで頂ければ、ダウ理論のトレンドとトレンド転換とはどんなモノかが分かって頂けると思います。
波の把握の仕方次第でトレンド方向が違う?
まずは下のチャートをご覧ください。
どのような波が引けるでしょうか?
色々と見える波があるかと思います。
波を可視化しましょう。
あえて赤色と青色の2種類の波を描いてみました。
赤色はMT4に最初から入っているジグザグ(パラメーターはデフォルト)、青色はジグザグのパラメーターを小さくして判定しています。
それではそれぞれの波について相場分析していきましょう。
赤いライン
赤いラインの波だけを表示させると以下のようになります。
では、上のチャートからどこがトレンドなのかが分かりますか?
答えは下のようになります。
ちょっと左端がわかりにくいのですが、一番左の高値を抜けた時点で上昇トレンドが始まっています。
その後、頂点を付けてからは下げていますが、ダウ理論の定義としては上昇トレンドの高値を付ける前の安値を下回るまではトレンドが転換しないと考えますので、「上昇トレンド終了」と書いてあるところまでは上昇トレンドが継続します。
青いライン
ではもう一つの青いラインはどうでしょうか?
青いラインだけを表示したチャートは以下のようになります。
このチャートでトレンドを見極めてみましょう。
今度は波が細かいため、上昇トレンドが早い段階で終了しています。
そして代わりにダマシの下降トレンドが1回、そして大きめの下降トレンドが1回発生しました。
波の定義次第でトレンドが変わる
上の例では、少し大雑把に描いた波と細かく描いた波を比較しました。
では、波は細かく描いた方が良いのでしょうか?
実はそういうわけではありません。
大雑把な波と細かな波は、言ってみれば移動平均線のパラメーターと同じです。
移動平均線のパラメーターを小さくしたら相場の動きに素早く追従する反面、ダマシに合うことも多くなります。
一方でパラメーターを大きくしたら相場の動きに遅れて追従するものの、相場の大きな流れを把握することができます。
相場の波の判定もこれと同じなんですね。
波の描き方はトレーダーによって全然違ってくる
ラインを使ったトレードにおいて、「波」をどうやって描くか、把握するかは超重要です。
なぜなら、波の把握の仕方次第で見るトレンドが変わってきたり、重要だと思うサポレジラインも違ってくるからです。これだけ重要な波ですが、ほとんどのブログとか情報商材では波について詳しい定義や解説をしておらず、「目立った高値と目立った安値を結んできましょう」といった超曖昧な言い回しばっかりなんですね。
だから、解説を見て分かったつもりでも、いざ真っ新なちゃ-とを見ると何が何だか分からなくなるのです。
でも逆に考えてください。
自分なりの波の定義をしっかりとしてやれば良いのです。
正しい波の定義なんてありません。
自己流で良いんです。
まずは自分なりのやり方で、いつも同じような波が描けるようになりましょう。
波を捉えるテクニックについては以下の記事をご覧ください。
また、なぜ常に同じ波が引けるようにならないといけないかの理由については以下の記事をご覧ください。
また、私が実践している波を引く方法については以下をご覧ください。