トレード手法の、「どこで入って、どこで出るか?」といったロジックの成功の可否は、相場の環境認識力による影響が多いです。
例えば、デイトレで押し目買いをするロジックであれば、日足レベルで勢いよく上げていたら成功しやすいですし、逆に日足レベルで下げていたら損切りになりやすくなります。
相場の環境認識がしっかりと出来れば、トレードのシナリオを描きやすくなりますし、狙っていくべき方向や戦略が見えてくるのです。
環境認識があるからこそトレード手法にエッジが生まれることもあります。いや、環境認識次第な手法も多いのです。
でも、自分の環境認識力について不安を持っている人、多いんじゃないでしょうか?
そんな人のために、環境認識力を高めるトレーニング方法について解説していきます!
FXにおける環境認識とは
環境認識を簡単に言えば、市場がどんな状態にあるのか?を確認することです。
チャートを使ったトレードなら、大きな時間足を利用して
- 現在のトレンド方向
- 注目されやすいレート
- ボラティリティ
- ローソク足などのパターン
などを見ていきます。
人によっては、オプションバリアを見たり、クソポジチェッカーでどのレートに買いや売りの注文が集まっているのかを見たりもするでしょう。
複数の通貨ペアでトレードする際は、
- 通貨の強弱
- トレンドの強い通貨ペア、レンジの通貨ペア
- 通貨ペア同士の相関
なども見ます。
こうやることで、市場の方向や勢いなどがより明確に分かってくるんですね。
すると、トレードをする際に
- 今後の動きのパターンが大雑把にでも見えてくる(シナリオが描ける)
- エントリーする方向が決まる
- 狙うべきポイントが見えてくる
- 勝率が上がる
- 利食いを伸ばすか早めに利食うかの判断が付く
といったメリットが生まれるのです。
どんなに腕のある美容師で、最新のトレンドを取り入れたオシャレなカットが出来たとしても、ド田舎の高齢者ばかりの過疎地で美容室を経営していたら儲からないですよね?
収益の出る美容室を経営するのであれば、若い人が集まりやすく、目につきやすい所にお店を構えなければ意味がありません。むしろ、このような立地に美容室があれば、美容師の腕が大したことなくてもそれなりに客は来るのです。
ここで言う美容師の腕がトレード手法の良し悪しで、美容室の立地が相場環境です。正直な所、腕よりも立地の方が重要な気がしませんか?
もちろん、ずば抜けた腕があるのなら、田舎の過疎地でも人が訪れるとは思いますが、ほとんどの美容師はそんなに凄い腕じゃないですよね?だから立地にもこだわるべきなんです。
環境認識トレーニングのやり方
環境認識についての説明が終わりましたので、ここから本題である環境認識力を伸ばす方法について解説していきます。
先に言っておくと、環境認識力は一朝一夕で身に付くものではありません。
毎日コツコツと繰り返すことでのみ身に付くスキルです。
「手っ取り早く勝ちたい!!!」
と思う人にとっては面倒で長い道のりに見えるかもしれません。
でも、近道はありませんし、相場で安定して利益を出すためには欠かせないスキルですから、必ず毎日継続してやりましょう。習慣化すれば大した労力にもなりません。むしろやらないと気持ちが悪くなる感じです。
一番のトレーニングは毎日の継続
環境認識トレーニング方法とは、ズバリ、環境認識を毎日続けることにあります。
相場環境は毎日変わります。
だからこそ、毎日のトレード前、もしくは朝起きた時にとりあえず相場環境をチェックするんです。そうすれば、市場が理解できるようになりますし、コツコツ続けることで相場が見えてくるようになるのです。
ちなみに、私は以下の順番で相場環境を見ています。
- その日の指標チェック
- 通貨の強弱チェックしてトレードしやすそうな通貨ペアの検討
- 日足、4時間足、1時間足のトレンド方向、サポレジ、ボラティリティ、ローソク足のパターンチェック
- 今後の大まかな動きを想定
これらについて、何かノートに書いてまとめておきましょう。
書くという行為によって、自身の頭の中がスッキリと整理されます。
最初は面倒かもしれませんが、慣れてきたらルーチン化します。
最初は丁寧にやって、自分なりのやり方を確立しましょう。
アマギの環境認識方法
では私なりの環境認識手順についてまとめます。
1.その日の指標をチェックする
まず最初に見るのはチャートではなくその日の指標です。
現在が何曜日で、何の指標があるのかを頭に入れましょう。
指標についてはFX業者のサイトや羊飼いさんなどの指標について紹介しているところを見ましょう。
雇用統計やFOMC、アメリカのCPIがある日などは東京時間~ロンドン時間までレンジになりやすいので要注意です。
また、曜日も結構大事です。
月曜日は動きが悪くなりがちで、火曜日から木曜日はトレンドが出やすいです。
曜日の解説は以下をご覧ください。
2.通貨の強弱をチェック
次に通貨の強弱を見ます。
日足レベルで、現在で最も強い通貨、弱い通貨などを確認します。
理想は最も強い通貨と最も弱い通貨でトレードすることですが、自分のトレード対象でなければスルーしたほうが良いです。
いつもトレードしている通貨ペアの中で、ベストなものを選びます。
通貨の強弱の見方については、以下の記事を参考にしてください。
環境認識の見直しもしよう
環境認識はやりっぱなしでは意味がありません。
トレード終了後には、自分の環境認識とその後の動きを比較しましょう。
自分の環境認識とその後の動きがピタリと当てないとダメ!というわけではありませんが、大きな違いがあったり、環境認識時に見落としていた個所もあるはずなので、しっかりと見直しをして、考察しましょう。
また、トレード中にシナリオが変わることがあると思います。
そういったことについても、しっかりと考察しておくと相場への対応力が上がります。
日足、4時間足、1時間足のトレンド方向、サポレジ、ボラティリティ、ローソク足のパターンチェック
ここからようやくチャートを見ていきます。
日足から1時間足まで細かく見て、どちらでエントリーするかなどを考えていきます。実際の例を見ていきましょう。
日足
日足では直近で上昇トレンドが崩れました。
現在は反発して上昇中で、再度安値を割ったら完全な下降トレンドになりそうですが、現状では上昇トレンドが崩れた状態で不安定と考えます。
4時間足
(青いラインが日足の波、緑のラインが4時間足の波です)
4時間足では下降トレンドが崩れています。
日足では上昇トレンドが崩れた後、4時間足では下降トレンドが崩れた後、ということで、整合性が取れない状況です。
このことからも相場が不安定な状態と言えます。
日足の方を優先して考えると、現在は今後下げるための戻りの最中と言えますが、デイトレをするレベルであれば、「分かりにくい相場」と考えます。
1時間足
1時間足では地味な下降トレンドになっています。
日足では上昇トレンドが崩れ、4時間足では下降トレンドが崩れ、1時間足では下降トレンド・・・ということで、やはり分かりにくいですね。
1時間足では直近の安値で何度も跳ね返されており、そのレートがサポートラインとして使えそうです。
また、高値を切り下げる動きとなっており、このレンジの上限や下限で逆張りする、もしくはこのレンジ内で勢いが出たところで入るのがベストかなと言えます。
継続こそが一番
何でもそうですが、続けられることが一番です。
毎日必ず相場分析をしてまとめていけば、必ず知識と技術が身につきます。
自分の頭がすっきりと整理されて、言語化しやすくなります。
言語化できと、モヤモヤっとしたものが無くなって、自分が注目すべきポイントがクリアになります。
ここまで来ると、自分のやり方に自信が持てるようになります。
トレードでは自信が大事です。
自分のやっていることに自信が無ければ、すぐに信用できなくなって、他の楽な方法に流れるからです。
楽なことばっかりやっても技術は身につきません。
自分がやるべきことをコツコツ毎日続けることが大事です。
環境認識トレーニングとしてForex Testerを使うのもアリ!
環境認識のトレーニングは、毎日毎日リアルのチャートを見て実践していくことが一番です。
もう少し早く環境認識力を身に着けたい!
と思う人もいるハズ。
そんな人にはForex Testerを使った環境認識トレーニングをお勧めします。
Forex Testerを使えば、2つ以上の通貨ペアのチャートをマルチタイムで同時に動かせます。指標の時間もわかります。
なので、その日の始めに環境認識⇒チャートを動かして、その後をチェック、⇒翌日の環境認識・・・という流れでやっていけば、速いペースで環境認識のトレーニングができます。
でも、毎日のリアルタイムで行う環境認識ほどプレッシャーはないので、気軽にやってしまいがちです。やるなら常に本気でやっていきましょう。
FT4については以下のリンクからご覧ください。
裁量トレーダーなら自分なりの環境認識を確立しよう
裁量トレーダーにとって欠かせないのが環境分析です。
これがあるからこそ、システムよりも安定して稼ぎやすいんだと思います。(もちろん技術がある場合)
しっかりと環境認識力を磨いて、相場に対する理解を深めていきましょう!
自分なりに高めた環境認識力は相場で稼いでいくために必要なスキルですし、一生使えます。コスパの良い学問だと考えてやっていきましょう!
簡単ではないし、時間もかかりますが、頑張っていきましょう!