これは私が一貫して主張するFXで勝てるようになるための秘訣です。
書いてない人は「そんなこと書いて意味あんの?」と思うかもしれません。
でも、本当に大きな効果をもたらします。
今回は、トレード日誌を書くべき理由についてまとめます。
トレードでは人間は負けるように作られている
相場の世界では人間は面白いほど簡単に負けていきます。
その理由は、人間が生存競争で獲得してきたプロスペクト理論にあります。
もちろん勝てない人の多くが優位性の無い手法を持っていないというのも事実です。
ですが、トレードで勝つためには、プロスペクト理論を和らげるための考えの変化をしていかないといけないのです。
人は痛みを恐れますし、心的ダメージを癒やそうと心の防御機構まで備わっています。
これらは、本来は人間を守るためにあるはずの本能ですが、相場においては余計な存在なのです。
この厄介な人間の負ける性質。
負けてしまう潜在意識を勝てるように改善していく(非活性化していく)には、トレード記録は非常に効果があります。
トレード日誌を書くべき理由
それではトレード日誌を書くべきメリットは3点あります。
- 自分自身を客観的にを観察できる
- 勝てる局面や負ける局面を明確にできる
- 学習効率が高い
1. 客観的に「自分」を観察できる
トレードを続けると、人は熱くなります。
勝ちが続けば「今日は調子がいい!相場とシンクロしているようだ!」
どちらにしても人は高揚感を覚えます。
しかし、トレードにおいて高揚感やスリルは邪魔でしかありません。トレードを楽しんでいては、勝てるようにならないわけです。
そこで重要なのが、できる限りフラットなメンタルで淡々と取引を行えること。
これを実行するためには、トレードごとに自分の精神状態や感じていること・思っていることを日誌に書き続けることが効果的です。
後で自分自身のメンタルとその時のトレード結果を見ることで、どんな精神状態なら負けやすいのかが見えてきます。つまり、自分自身を客観的に観察できるわけです。
自分を客観的に見れるようになれば、そこから修正点を見つけて、矯正していけばいいのです。
ですが、己を知らないトレーダーがどれだけ多いことか・・・。
2.勝てる局面と負ける局面を明確にできる
トレードノートをつけ続けると、自然と自分が勝てる局面が出てきたり、どのようなエントリーが利確に繋がりやすいのかといった優位性に気づけるチャンスを得られる事があります。また、逆に負けやすいポイントも気付く事もあります。
このような情報は自分だけしか知り得ないエッジです。
トレードの最中は利確と損切りの連続で、何が優位性なのかは曖昧となりがちです。
しかし記録をつけることで、おぼろげな優位性を明確にして、その優位性をさらに尖らせることで勝てるようになる確率が大きく上がります。
また、負けやすいポイントを見つけて、そのポイントでのエントリーを避ける事で余計なトレードを避けられるだけでなく、勝率アップや1回当りのトレードの期待値アップを見込むこともできるのです。
3.学習効率が高い
人は忘れる生き物です。
前日覚えたことも、半分は忘れ去ってしまっています。
例えば、負けトレードがあったとします。
そして再び同じような負けトレードをします。
通常であれば、同じ間違いを犯したせいで自分自身に対して怒りを感じたりするのですが、トレードではこうなることが少ないです。
理由は単純。
人は記録しないと自分のトレードの内容を細かく覚えていないからです。
覚えていないから、同じ間違いを犯しても気付かないのです。
これは全くもって無駄な行為で、お金をドブに捨てるようなものです。
せっかく相場にお金を支払っているのに、経験値が一向にたまらない状況です。負け組はトレードのあらゆる事で学びを得る必要があるのに、ほとんどの人がそれをやっていないわけです。
トレード日誌を付けていれば、すぐに気付けることなのに、それをやらないことで時間とお金を無駄にしています。
アウトプットをしない人間はトレードで勝てるようになるのに非常に時間がかかるのです。
FXのトレード記録をつける意味
トレードを日誌を書く最たる目的は自分の客観視です。
これがもっとも重要です。
トレード中は超主観的になりやすい自分を冷静な目で客観視することで、自分の欠点と長所を抽出して、ダメなところは改善し、良いところは更に伸ばすことが可能になります。
自分の行動から得た情報を元に、改善点を自分なりに考えて結論を出したら文章化することで、更にメンタルの改善とトレードルール技術の向上に拍車がかかります。
普通の負け組トレーダーが何度も同じミスを延々と繰り返します。
それとは対照的に記録をつけてそこから常に学びを得ているトレーダーは、確実に同じミスをしなくなり無駄なエントリーを避けられるようになります。
記録をつけ続けることで「優位性」が見つからなくても、それは問題ではないです。
FXの世界で長生きするには「勝つにはどうすればいいかを考えるよりも、負けないにはどうしたら良いか」を考えたほうが効率が良いのです。負けなければ、運良くたまたま勝っただけでも利益が残ります。
ぜひあなたもトレード日誌を書くことから始めましょう。
きっと新たな発見があるはずです。
具体的なトレード日記の書き方
では、実際にはどのような書き方をすれば良いのでしょうか?
FXのトレード日誌に書くべきことや書き方について私なりのやり方をご紹介していきます。
- エントリーした理由
- 損切りの判断の成否とメンタル状況
- 利確に関して問題や課題がないか?
- トレードの感想とメンタル状態
- 客観的な評価を行う
エントリーした理由
エントリーの根拠は絶対に日誌に書くべきことです。
出来ればエントリー時のチャート画像も一緒に付けましょう。
自分がなぜ、その通貨ペアやレートや状況でエントリーしたのかについて、理由をしっかりと文章化することが重要です。
もし、エントリーした理由を文章化出来ないのであれば、それは漠然と特に根拠もなくトレードをしていることになります。
エントリーした理由についてしっかりと日誌を書いていると、エントリーする前にエントリーする根拠や理由・戦略等を考える癖がつきます。そうなると、何となくエントリーする事が激減します。
ついでに、エントリーした理由や根拠だけでなく、エントリーを行った時の自分の精神状況も書いておくと、更にグッドです。
こうすることで、エントリー時のメンタルとエントリーの精度に何らかの相関が見られるかもしれません。
エントリー時に感じた事やメンタルは余すことなく書いていきましょう。
損切りの判断の成否とメンタル状況
エントリーしたら次の行うのが決済です。
ここでは特に苦手な人がが多い損切りの書き方について解説します。
まずは、損切りが予定通りに実行できたのかどうかを評価します。
損切りが予定通りに実行できたのであれば、その後の値動きにかかわらずまずは自分自身を褒めましょう。
逆に予定通りの損切りが出来なかった場合は、なぜ出来なかったのか、その時に感じた事ををしっかりと文章化して書いておきましょう。
損切りの先延ばしほど恐ろしい物はありません。
損切りが出来なかった理由は必ず突き詰めておいて置くべきです。
理由を突き詰めたら、同じ過ちを繰り返さないように解決策を考えて書き留めます。
解決策が出来上がったら、今後のトレードに反映させていくだけです。
再度損切り時の日誌の書き方をまとめます。
- 損切りが計画通りに執行できたか
- 損切りできたならとりあえず評価
- 計画通りに進まなかった損切りは原因を究明
- 原因に対して解決策を考える
- 次の損切りは必ず成功させる
利確に関して問題や課題がないか?
正しい利益確定を行うことも、トータルで勝つためには必要不可欠です。
利確について日誌に書き留めることは損切りと大きな違いはありません。
- 計画通りに利確を執行できたか
- 利確の目標値に到達するまでの間に心理的な問題は無かったか
などを書いていきます。
ポジションに利益が乗ったらすぐに利確したくなる人は非常に多いです。所謂チキン利食いです。
これには、プロスペクト理論が影響しています。
もし、ポジションに利益が乗ってくると「利確したい!」「はやく終わらせて楽になりたい!」などの心理的な負担を感じると思う場合は、トレード日誌にそのことを書き留めておきましょう。
人間はそもそもマーケットで生き残れるように出来ていません。
しかし、現実に勝ち組は存在します。
勝ち組は負け組が克服できていない心理的な課題を全てクリアしているからです。
日誌に、どのようなメンタル状況だったかをしっかりと書き留めて、その都度対処法を考えて、それも書き留める。そして次の利確では少しでもそういった課題をクリアできるように備えることがトレーダーとしての成長に繋がるのです。
トレードの感想とメンタル状態
トレード全体の評価を行います。
エントリーから、ポジションの保有、そして決済までの一連の流れすべてを評価し、トレード全体をまとめて感想を書きます。
その時の率直な感想やポジション保有中のメンタル状況もしっかりと書きます。
これは後で見直すときに役立ちます。
例えば、負けているトレードに共通している精神的な特徴を知れることがあるので、これを克服すれば余計な特徴を減らせたりできます。
客観的な評価を行う
客観的な評価は、そのトレードを行った直後にはやりません。
トレード直後に行うのは、あくまでも感想や問題点を書き綴るだけです。
この客観的な評価は、翌日もしくは週末に行います。
過去のトレードはより客観的に見ることができるからです。
冷却期間を経て、再度自分のトレードをを振り返ると「下手くそだ、全然ダメだ」と思ったりもするでしょう。ここから新たな問題点や改善点が見つかります。
客観的視野から心と売買ルールの最適化を行うことがトレードノートの目的
日誌や記録を書き続けて、過去の自分のトレードに対して客観的な評価が出来るようになると、自分のトレードの問題点を知ることができるようになります。
問題点が分かれば、その解決策も見えてきます。
とは言っても、解決策が分かったらすぐに実行できるものではありません。
例えば、「利食いを伸ばした方がトータルの利益が上がる」という解決策が得られたとします。
でも、すぐに利食いを伸ばすことは簡単ではありません。
それまでとは違うことをやるわけですから、心理的抵抗を感じるでしょう。
それでも継続していけば、その解決策に考えを適応できるようになります。その時に、トレードの技術が向上していることを実感するでしょう。
もう一度ノートを書くポイントについてまとめます。
- 自分のトレードを客観的に評価できる
- だから修正するべき「問題点」が分かる
- その解決策が受け入れがたいものであっても
- 期待値がプラスになるのなら、心をその解決策に最適化させる
- 新たな思想を受け入れることに成功したら技術が向上する
トレードノートを書く際の注意点
トレード日記を書くこと自体を目的にしない
トレード日記の作成自体を最終目標とするのではありません。
ノートの内容を定期的に詳細に分析し、自身のトレーディング戦略を洗練させていくことが最大の目的です。
単にトレード日記をつけることによる直接的なメリット、例えば取引時の過剰な行動を抑制する効果は確かにあります。しかし、定期的な自身のトレードの見直し、そこから得られるアイディアからの検証を続けなければ、トレードスキルは向上しません。
トレーディングスキルの向上には、PDCAサイクルを参考にすることをお勧めします。
PDCAは、計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Action)の各フェーズから成り、効果的な改善プロセスを実現するための方法論として知られています。
トレーディングにおけるPDCAサイクルは以下のように展開されます
- 計画(Plan):具体的なトレーディング計画の策定
- 実行(Do):策定した計画に基づくトレーディングの実施
- 評価(Check):トレード日記を用いた実施したトレードの評価
- 改善(Action):評価結果を基にしたトレーディング戦略の改善と、その改善策の過去データによる検証
このサイクルを繰り返すことで、トレーディング戦略の継続的な改善が可能となり、トレード日記はこのプロセスにおいて不可欠なツールとなります。
習慣化しやすいようにプラットフォームを整えておく
トレード日記は基本的には毎日書きます。
最初は目新しくて始めることが容易ですが、続けていくと面倒に感じると思います。
そのため、出来るだけ継続しやすいようにトレードノートのプラットフォームを整えておくことをお勧めします。
例えば私はエクセルでノート付けていますが、事前に各べきことをテンプレ化しています。
そうすることで、必要なことを漏れなく記入できますし、無駄な時間がかかりませんん。
本物のノートに手書きするのが好きな人もいるかとは思いますが、チャート画像を印刷して・・・とやっていくと時間も手間もかかります。
できればエクセルなどを利用して無駄な時間と手間をかけないようにすることをお勧めします。
また、現在はトレードノート用のアプリやソフトも充実しています。
特にタブレットでトレードノートを付ける場合、それなりに画面のサイズも大きくて、手書きでノート入力もできるので便利かなと思います。
絶対にチャート画像を保存しておく
トレードノートは「後で見返すこと」を大前提に書いていく必要があります。
ですから、エントリー時と利食い・損切り時のチャート画像は必須です。
よくエントリーから決済までの一連のチャートを出して「ここで入って、ここで出ました」と示すやり方もありますが、これだと後で見返す時に先が分かる形になってしまいます。
後で見返した時も先が見えないようにするために、できればエントリー時のチャート画像、決済時のチャート画像を分けてノートに張り付けることをお勧めします。
こうすると、後知恵のバイアスを受けずにトレードを見返せます。
MT4でお勧めのチャート画像保存インジケーターは以下がおススメです。
トレード日誌は書かないと損!
初心者トレーダーは勝つことを前提でトレードします。
が、当然勝てません。
勝てない理由は相場と自分自身に対する知識の不足と経験値不足。
これらを補えるのがトレード日誌です。
私から言わせてもらうと、日誌を書かないなんてあり得ないですし、書かないのは損です。せっかく得た経験を記録として残さなかったら、全て忘れ去られてしまいますので。
トレード日誌を書いていないそこのアナタ。今日から始めましょう。