少し前から海外FX業者を中心に採用されている取引方式がNDD方式です。
NDDとは、No Dealing Desk の略です。
直訳すれば、「ディーリングデスクが無い」という意味になりますが、そもそもディーリングデスクとは何でしょうか?
今回はNDDについて詳しく解説していきます。
まずはディーリングデスクを知ろう!
今この瞬間、オレのポジションは為替市場に届いた!
それ、本当ですか?
実はあなたのポジションが為替市場に届かない事のほうが多いんですけど・・・。
一般的な相対取引のFX業者の場合、顧客であるトレーダーからの注文は、FX業者の中のディーラーと呼ばれる人たちのところで集約され、そのほとんどが相殺されます。
この場合、二つの注文を合わせるとトータルでゼロになるでしょ?
これが相殺。マリーとかマッチングとも言われるね。
FX業者側としては、注文を相殺できたらリスクフリーで確実にスプレッド分が儲かるからね。
逆にインターバンクに注文を全部流してたら、手数料とか取られて割に合わないんじゃないの?
FX業者のディーラーの仕事は、顧客同士の注文をマッチングさせたり、社内全体のポジション具合を見て、大きな偏りがあってリスクを取りすぎていると感じれば、インターバンクにリスクヘッジのためのカバー注文を入れています。
これが相対取引(DD)と言われる取引形態です。
言ってみれば、FX業者自体も、為替市場のトレーダーなのです。
呑み業者も少なからず存在する
実は相対取引のFX業者の中には、全くインターバンクに注文を入れない、いわゆる呑み業者というものも存在します。
つまり、為替レート自体は提携先の銀行のレートを参考にするけれども、顧客からの注文は自社内で全て処理するということになります。
こうなってくると完全に
という方程式が出来上がってしまいます。
また、DD方式のFX業者のディーラたちは、顧客の指値/損切りの注文は全て見えています。
ですから、どのレートに注文が集まっているのかも一目瞭然です。
もし、損切り注文が集まっているところに、一瞬でもいいからレートを意図的に動かしたらどうなるでしょうか?
顧客の損切り注文が決済され、その損失分は業者の利益になります。
このような行為を、FX業者によるストップ狩りと呼び、2010年前までは頻繁にネット上で話題になっていました。
そういえば国内のG社とかD社はよく口座凍結するっていうけど・・・。
どうやら業者にとって良い取引をしてくれなかったんだろう。
ディーリングデスクが無いFX業者とは?
ディーラーのいる取引方式についてご理解頂けたかと思います。
では、ディーラーのいない取引方式は・・・というと、本ページのメインであるNDDとなります。
NDD方式を採用しているFX業者では、顧客の注文をそのままインターバンクに流します。
顧客の注文をマッチングさせたりすることは一切ありません。
NDDでは、顧客に提示する為替レートもインターバンクに直結しています。
そのため、非常に透明性の高い取引となります。
これを別名A bookと呼びます。
呑まないから手数料は必要
ディーラーおらず、注文をそのままインターバンクに流すという取引形態を取ると、
という方程式が完全に成り立たなくなります。
しかしこんなことをするとNDD方式の業者は利益を出せません。
業者もボランティアでやっているわけではありませんので、NDD業者は利益を出すために、スプレッドを広めにしたり、トレードの枚数ごとに決まった手数料を取ったりしています。
つまり、NDD方式の業者の場合は顧客の利益の有無は関係なく、顧客がトレードするほど儲かるシステムになっていると言えます。
NDDだとトレーダーが取引してくれるほど儲かるから、サービスもプラットフォームも使いやすい傾向にあるよ。
DDとNDDのどちらでトレードすべきなのか?
まずはDDとNDDのメリットとデメリットをご覧ください。
DD業者(相対業者)
DD業者のメリット
- スプレッドが狭い
- 約定力が高い
- スプレッドが固定(のところが多い)
DD業者のデメリット
- カバー注文が不透明
- 高ロットのスキャルピングは口座凍結の可能性がある。
NDD業者
NDD業者のメリット
- カーバー注文がクリア
- 1回の注文で1000万通貨単位までできるところが多い。
NDD業者のデメリット
- スプレッドが広めで手数料がある場合もある。
- 実は呑んでいたりすることもある。
こだわるのであれば、NDD業者をオススメ
初心者の方の場合は、スプレッドが狭いDD業者でも良いですが、ある程度経験を積んでくると、板情報が見れたりするNDDの方がメリットが大きくなります。
やはりDD業者は絶えずレート操作の話もありますし、NDDの方が信頼性が高いのは言うまでもありません。
しかし、その分だけ手数料も取られますので、トレードスタイルや手法によって使い分けると良いでしょう。