トレードでは欠かすことはできない損切り・・・。
自分のポジションが含み損から確定損になってしまうのは決して気持ちいモノではありません。お金を増やすためにFXをやっているのにも関わらず、口座資金が減っていくわけですから仕方が無いですよね。
しかし、誰もが「損切りは大事」と言うように、トレーダーに与えてくれる恩恵は沢山あります。
そこで今回はネガティブに捉えられがちな「損切り」をポジティブな視点から見ていくことにします。
損切りは資産を守ってくれる!
損切りは想定以上の損失から守ってくれる存在です。
言ってみれば、あなたが次にトレードするために必要な資産を守ってくれます。
ロスカットされた直後に一気にエントリーしていた方向へ動き出すことはよくありますが、結果的に「ロスカットしていてよかったぁ!」ということも多々あるものです。
言ってみれば、損切りは保険なのです。
想定外の動きをした時に、一定のコストを支払うことで、それ以上の損失を防ぐことができるわけですから・・・。
もちろんほとんどのケースで元のレートに戻ってくるわけですが、稀に戻らないことがある。ここで多くの資金を失わないのが損切りの絶対的な意義です。
損切りは新たなエントリーのチャンスをくれる
何となく建ててしまったロングポジションが含み損になってきたとします。
「損切りは嫌だ!」とナンピンを入れて暫くすると、完全にトレンドが切り替わって下降トレンドになってしまいました。
こうなるとあなたはトレーダーではなく祈祷師です。
などと上げそうな要因となりそうな情報を色々と見つけては自分のポジションを肯定し始めます。
そんな、お祈りしている最中に何度となくショートエントリーのチャンスがやってきています。
「ああぁ、いつもならココでショートエントリーしてるなぁ。」なんてことを考えるわけです。
そういう時に限ってそのポイントでしっかりと下がり始めたりする・・・。(含み損はグングン拡大)
早い段階でロスカットをして身軽になっていれば、ここでショートして、損切り以上に利益を出せたのに・・・。
そう思ってももう遅い。
増えているのは含み損の金額だけ・・・。
損切りは損失を与えるだけではなく、次の大きな波に乗るためのチャンスを与えてくれるのです!
損切りは冷静さをくれる
損切りをするとイラッとすることはあります。
連敗するとマウスをモニターに投げつけたくなることもあります。
しかし、それでも自分のポジションがスクウェアになった時の安心感と言うか、冷静になった感じはあるはずです。
少なくとも、ロスカットしなかった時の大惨事とは比べ物にならないレベルの落ち着いたメンタルになっているのは間違いないでしょう。
損切りはFXトレーダーとしてのプライドをくれる!
FXではあえて損切りをしないことで利益になることもあります。
ただ、こんなことをやっていては、いずれは退場することになるのは目に見えています。
損切り自体はネガティブな感情が生まれやすいですが、損失を受け入れた自分を、損切りのルールを守った自分を、存分に褒めてやるべきです。
「事前に決めたルールに従ってトレードで来た自分はスゴい!」と。
たとえその後、エントリー方向に進んだとしても・・・。
トレードは次の動きを当てる仕事ではありません。
何十回、何百回と取引して、トータルで利益を出すことを目的とする仕事です。
そうであるならば、統計的優位性のあるルールに従うのが絶対的に正しい。
そのルールに従えた自分は、短期的には損をしたとしても、結果的には利益につながる行動をしたことになるのです!
損切りはトレードに規律を与えてくれる!
- 損切りを徹底できた!
- 損切りを受け入れることができた!
この成功体験が積み重なると、トレードには欠かせない規律が出来上がっていきます。
「規律」は「ルール」とは違ったもので、精神面・行動面を含めたルールを守るために必要な土台のようなものだと個人的には考えています。
規律が出来上がると、自分のトレードルールから外れたことをやることに嫌悪感を感じるようになります。
この究極系が、「損切りを入れないなんて怖くて嫌だ!」という感情です。
損切りは統計的なデータをくれる!
トレード手法のパフォーマンスを知るために、勝率、平均損失、期待値などを統計的に把握するには、損切りをしなくてはいけません。
数字とは不思議なモノで、自分がトレードを通して持った印象とは違うことを教えてくれます。
例えば、トレードやっている最中は「負けてばっかりだよなぁ・・・」と感じていたとしても、いざ統計を取ってみると、思っていたよりも勝率が高かった・・・なんてことはよくあります。
また、トレード中に熱くなってやらかしてしまった行儀の悪い損失の数々も、しっかりと数字として教えてくれます。
自分のトレードを数字の面から客観的に理解できると、より強くなります。
合わない相場で無理にポジションをねじ込んでトレードするよりも、何もせずにボーっとチャンスを待つ方がはるかにお得であることを教えてくれるはずです。
損切りはいい精神衛生状態をくれる
FXではルーティンが大切だとよく言われています。
ロスカットをしっかりこなしていると日々のルーティンを守ることに役立ち、いいルーティンはいい精神状態を作り、良い精神状態はいいトレードに繋がります。
しかし逆に、ロスカットを怠ってお祈りモードに入ってしまうと、日常のルーティンどころの話ではなくなってしまいます。
希望が薄そうなチャートに張り付き、睡眠時間も削り、イライラしてモノに当たってみたり・・・。
精神衛生上非常によくない状態になり、悪循環へハマります。
ロスカットは苦痛に感じるかもしれません。
しかし、その小さな苦痛を受け入れるだけで日常を笑顔で過ごすことができるわけです!
損切りは生き残るための経験と成長をくれる!
トレーダーは、トレードを繰り返して経験を積み、成長し続けなくてはいけません。
つまり、絶対的に生き残らなければいけないのです。
でも、失敗したらすぐに死ぬわけじゃない。
トレード内容が悪かったと感じたなら、その失敗を次のトレードに活かせばいい。
失敗して、次に活かして、あぁまた同じことやっちまった、なんて思って次に活かそうと努力して・・・。
結局はこの繰り返しです。
そのためにも、絶対に死なずにトレードをするための種だけは守らなくてはいけません。
損切りはトレーダーとして絶対条件の「生き残り」を提供してくれる稀有な存在です。
生き残っている限り、経験は積めるし、成長することだってできる。
死ななければ、チャンスはやってくる。
損切りを嫌いにならないでください!!
今回は損切りのメリットについて考えてみました。
もっと挙げられそうですが、重要なポイントは押さえられたかなと思います。
一般的には忌み嫌われる損切りですが、それでもトレードを続ける上では欠かせない存在です。
一般的な商売で言えば、損切りは仕入れのようなモノであり、保険のようなモノ。取引をする上では絶対に欠かせない存在です。
今回の記事を読めば、そんな損切りの重要性が分かってもらえるんじゃないでしょうか。
損切りが出来ない人は、自分自身を納得させるためにも何度も読んで損切りのメリットを頭に刷り込んでおきましょう!