今回の記事ではダウ理論でとても大切な「押し安値」と「戻り高値」について解説していきます。
ダウ理論における上昇トレンドは高値と安値の切り上げ、下降トレンドは高値と安値の切り下げを意味します。
トレンドが続くほど、高値と安値の切り上げ、もしくは高値と安値の切り下げが続くわけですが、この中で最も重要なのが「押し安値」と「戻り高値」になります。
これらは別に難しいわけではありません。
ただ知っておくだけで、トレンド中に認識していれば意識されやすいレートが分かるので、とても利便性は高いです。
ダウ理論についてよく知らない方は以下の記事からご覧ください。
押し安値とは
押し安値とは、上昇トレンド中において、その時の最高値を付ける前の波の安値になります。
この図にもありますように、最高値を付ける前の押し目が「押し安値」です。
もし、これから上昇トレンドが続いて、現在の最高値から押し目を作り、更に最高値を更新した場合、現在の押し安値は単なる「安値」になります。
このように、押し安値は最高値を更新する度に右にスライドしていくことになります。
押し安値を見つけてみよう!
では、下のチャートの中から押し安値を見つけてみましょう!
相場の波のとらえ方は人それぞれですが、押し安値の認識手順としては以下の通りです。
- 最高値を見つける
- 最高値になる前の押し目の最安値が押し安値となる
とても簡単ですね。
私の波の引き方では、以下の部分が押し安値になりました。
押し安値の認識について絶対的に正しいポイントはありません。
ただ、明らかに目立った安値を押し安値とする方が効果が高いのは言うまでもありません。
無裁量にすることで、迷いゼロで押し安値や戻り高値の反転ができます。
やり方については公開していますので、以下からご覧ください。
戻り高値とは
戻り高値とは、下降トレンド中において、その時の最安値を付ける前の波の高値になります。
この図にもあるように、最安値を付ける前の高値が「戻り高値」です。
もし、これから下降トレンドが続いて、現在の最安値から戻りを作り、更に最安値を更新した場合、現在の戻り高値は単なる「高値」になります。
押し安値と同じく、戻り高値も高値と安値を切り下げていくたびに右にスライドしていくことになります。
戻り高値を見つけてみよう!
では、下のチャートの中から戻り高値を見つけてみましょう!
戻り高値の認識手順としては以下の通りです。
- 最安値を見つける
- 最安値になる前の戻りの最高値が戻り高値となる
とても簡単ですね。
私の波の引き方では、以下の部分が戻り高値になりました。
押し安値と戻り安値の重要性
押し安値と戻り高値がなぜ重要なのか?
ここまでお読みいただいた方なら既に理解されていると思いますが、押し安値や戻り安値のブレイクはトレンドの終了・転換を示す重要なシグナルとなります。
この図で、押し安値を下にブレイクしたら下降トレンドに転換します。
このまま上昇トレンドが続いて欲しいと思う人たちは、このラインをブレイクしないように押し安値付近で買いを入れてトレンドを継続させいようとします。
その一方で、上昇トレンドを終わらせたい勢力は、このレートをブレイクさせたいと考えます。また、このレート付近では多くの利食い・損切り注文もたまっています。
このような状況下ですので、押し安値付近にレートが来ると、価格の変動が大きくなります。
重要なのは意識される価格を見つけて、その後、どのように動くかを見極めることです。
ですが、その前に意識される価格を事前に知っておくのはトレードにおいてとてつもないアドバンテージになるのは言うまでもありません。
戻り高値も考え方は全く同じです。
戻り高値付近には非常に多くの注文が入り、このレートに近づくとティックの更新が多くなり、価格の振れ幅が大きくなります。
そして、どちらかに決着が付いたところでエントリーすることで、トレードで優位性を得られるわけですね。
押し安値や戻り高値をブレイクしたら?
押し安値や戻り高値をブレイクしたら、とりあえずトレンド終了となります。
人によっては、トレンド転換として、逆方向のトレンドが始まったと解釈します。
これだけではトレンド転換が不十分だと考える人は、次の高値が最高値をブレイクできなかったところでトレンド反転となります。
この辺については、トレーダーによって考え方が異なりますが、押し安値や戻り高値をブレイクしたら、少なくとも目線が変わります。
つまり、流れが変わっていることを知る一つの判断材料になるのです。
多くのトレーダーの目線が変わると言うことは、それだけ重要である価格帯と言うことが分かりますね。
これが理解できると、チャートの見方が一気に変わります。
自分の目線、防衛線、この2つが分かれば、エントリーする方向は明解になり、トレードプラン自体も楽に作れます。
それだけで絶好の押し目買い・戻り売りのポイントが見えてくるはずです。