トレードの最初の難関が「ルールを守って取引し続けること」です。
多くの人が「そんなの簡単!」と思ってトレードを始めるわけですが、それが如何に難しいかは経験者なら知っているはず・・・。
- どうしても自分で決めたトレードルールが守れない
- ついカッとなってポジポジ病になってしまう
- 決めたところで損切りができない
FXでうまくいっていない方の中には、こんな悩みを持っている人は多いと思います。
なぜならFXで勝てていない人の大半が
- トレードルールを決めているのにもかかわらず守らない
- そもそもトレードルールがない
のどちらかだからです。
為替市場の先は分かりません。
そんな市場で適当だったり自分の感情に惑わされてトレードしていても勝てるわけがありません。
勝てるトレードルールを守って取引をしていくことが、FXで生き残るために必要なんですね。
ルールが守れないおかげでボロ負けして、口座資金を何度も吹き飛ばした結果、FXをもう辞めてしまおうとか、成功を諦めようとしていませんか?
いや、諦めるのはまだ早い。
今回は、自分のトレードルールを守る方法について解説します。
FXでルールが守れない理由
FXでルールが守れない理由は色々とありますが、突き詰めると以下の2点になります。
- 早く稼ぎたい
- 自分のルールに自信が無い・信用できていない
- FXで稼ぐ本質を忘れてしまっている
思い当たる節、あるんじゃないでしょうか?
ではこの3点について解説していきます。
早く稼ぎたい!!
FXを始める人の多くが、夢を見ています。
ネットでも書籍でも大金を稼いだ人の記事を見たら羨ましくなりますし、しかもそれが家の中にいながら実践できて、簡単そうならば期待は大きくなるものです。
FXを始める人の多くが、自分がFXで損失を出すなんて考えてもいません。
頭にあるのは「いつ頃大金が手に入るかな?できるだけ早い方が良いなぁ」なんです。
この考えが根底にあると、トレードで負けている自分と理想とのギャップが大きくて、
今の手法では勝てないから自分の勘に頼ろう!
という思考に陥って、自分のルールを破ってポジポジ病になってしまうわけですね。
自分のルールに自信が無い・信用できていない
もし、ルール通りに取引を行えば必ず勝てる手法があったとします。
その場合、ほとんどの人がルールを守ってトレードが出来ると思います。
つまり、ルールから外れたトレードをしてしまうということは、自分のルールに自信が無かったり、心の底で信用できていないのです。
ではなぜ自分のルールが信用できないのでしょうか?
その理由は、自分で信用できるだけの検証をやっていないからです。
過去の相場で何度も何度も検証して、手法について熟知して
- どんな相場だと勝ちやすいか
- どんな相場だと負けやすいか
- 勝率はどれくらいか
- 連敗は何回ぐらいあるか
- プロフィットファクターは?
- R期待値は?
と言った感じで1つの手法について多角的にを詳しく理解していたら、自分のトレード手法外でエントリーすること自体が嫌になるはずです。
FXで稼ぐ本質を忘れてしまっている
ある程度トレード経験はあって、しっかりとしたルールがあるはずなのに、ルールが守れない中級者もいます。
トレードルールは複合的で、エントリーポイントの優位性、資金管理、損切りや利確など、複雑なモノが絡んでいます。
これら全てに一定のルールを定めるまでに相場に打たれ苦労してきたはずです。
そして知っているはず。
このトレードルール外のことをすれば、全ての歯車が狂ってしまい、利益を出すどころか損失を垂れ流すことに・・・。
相場で思いのままに利益を出しているように見える上級者もいますが、それはあくまでも上級者だからの話です。
トレード経験はあるけど、まだ利益を出せていない人は背伸びなんかせずに、とりあえずトレードルールに従って取引を続けることが、一番の近道であることを忘れないでください。
トレードルールを破るとどうなるのか
ではトレードルールを破るとどうなるのでしょうか?
考えていきましょう。
勝ち負けの原因がわからない
取引ルールを守らなければ、そもそもトレードのデータが収集ができません。
トレード毎の勝ち負けの原因が曖昧で判らず、次のトレードに全く活かせません。
つまりトレーダーとして全く成長しません。
経験値も積めません。
感情的になると、自分の「正しいルール」で取引できないので、本当に勝てる手法なのかどうかも分からないのです。
言ってみれば、自分の資金を相場に流しただけです。
ここから得られるものは怒りや自己嫌悪だけです。
自己嫌悪に陥る
トレーダーにとって自己嫌悪は辛いですよね。
この自己嫌悪こそが、トレーダーとして死に値する一番キケンな現象だと思っています。
トレードルールを守っていないことは、他の誰でもなく自分が一番よくわかっているはずです。
そんな守れない自分を自分で嫌悪していくと、徐々に自分自身に対して信頼感を損なっていきます。自信も、存在価値も・・・。言うまでもなく手法やルールに対してもです。
しかもトレードって一人でやるものですから、他の誰もフォローしてくれません。
だから、自己嫌悪の悪循環にハマって抜け出せなくなって、トレード自体が辛く苦しいものに感じられるようになります。
稼げない
ルールを守れなければ、稼げません。
相場はそんなに甘くありません。
徹底的に検証・分析し、優位性の高い売買ルールを長い時間をかけて自分で練り上げて、はじめて「稼げる」というレベルに到達できます。
そのような厳しい世界で、ルールを守らないなどと初歩的で最も重要なことを執行できないのであれば、それは相場の餌食として存在し続けるしかないんです。
【FXで自分のトレードルールを守るコツ
どんなに勝てるトレード手法を作ったとしても、ルールが守れなければ意味がありません。
そこで、トレードルールを守るためのコツを解説します。
- 感情的にならないようにする
- 検証して自信をつける
- 予約注文を行うようにする
- 取引記録をつける
感情的にならないようにする
これまでのトレードの中でルールを破った時のことを思い出してください。
トレードでは感情的になったら負けます。
感情的になりながら取引を行ってしまうと、正確な判断ができず適当な取引を行ってしまいます。
その結果、ルールから逸脱したトレードを繰り返して、想定外のロスカットや大きな損失を生み出すことになるのです。
ただ、人間は感情のある生き物なので感情的にならないことは無理です。
しかし、自分が感情的になっているかどうかをできるだけ客観的に見ることは訓練で可能です。
自分が感情的になっていると感じたら、とりあえずトレードか離れましょう。
そして外の空気を吸ったり、体を動かしたりして気分転換しましょう。
検証して自信をつける
ルールを決めたら、このルールだったら大丈夫と思えるまでひたすら検証を繰り返します。
検証を繰り返すことにより、自分のトレード手法に絶対の自信が付きます。
どんなシチュエーションでも対応できる技術も身に付きます。
- この手法以外ではトレードするのが怖い
- この手法だから自分はリスクが取れる
- この手法でしかトレードできない
と思えるくらい検証すると良いですね。
勝てるトレーダーはこんなメンタルでトレードしています。
予約注文を行うようにする
どうしてもルールを守れないという方は、指値注文ができる手法を採用することをお勧めします。
指値注文を行うことにより、チャートに張り付かずにトレードが出来ます。
例えばOCO注文やIFO注文。
OCO注文は、エントリー後に利食いと損切りの注文を同時に入れられるので、決済ルールが守れない方にオススメです。
IFO注文は、OCO注文に加えてエントリーの指値注文もできるので、前もって注文を入れたら、エントリーから決済までを自動化できます。
これをやるだけでトレードの精神的なストレスが大幅に減らせます。
トレード記録をつける
ルールを守るには、取引記録をつけることがとても大事です。
トレード記録を付けて、定期的に自分自身のトレードを見直すことで、「しっかりルールを守れてトレードできているか」を知ることができます。
また、トレード記録を付ける行為自体が、自分自身を監視する役割を果たすので、ルールから逸脱した行為をしにくくなります。
トレード記録の付け方については、以下の記事をご覧ください。
最初から完璧にルールを守ることを目指さない
今回はルールが守れるようになるためのコツについてまとめました。
ルールが守れないと、自分自身を否定して、そこから自暴自棄になって負のスパイラルに入ることもあります。
ですから、最初から完璧にルールを守ることを目指さないでください。
ルールを守るのは簡単なようで超難しいです。
特にFXの場合、トレードルールを守ると言っても、肉体的な疲労等は一切ないので、ルールは簡単に守れると思ってしまいがちです。
でも、お金が関わる仕事なので、ルールを完璧に守るのは難しいですし、ルールを守ってトレードできること自体がトレードで必要な一種のスキルなんです。
相場分析力や手法の精度もスキルですが、ルールに則って取引できるのも大事なスキルです。
まずはルールを守ることは難しい事実を知りましょう。
だから、最初からルールの全部を完璧に守ることを目指すのではなく、少しずつルールを守れるようにする方向で頑張ると良いかなと思います。
そのためにもトレードノートを書いて、守れたルールと守れないルールを明確にして、過去の自分と比較しながらトレード経験を積んで努力していくべきです。
これを継続すると、徐々に自分がルールに守れるようになっている事実に気づきます。
自分が前に進んでいることを知れたら、もっと頑張れるようになります。
自分の成長を認めながら継続していきましょう。
完璧なんて無理だと理解して、その時の自分にできる限りのことをやっていく。これなんです。