トレードのエントリーについては、色々と分類する事ができます。
順張り逆張り、ブレイク狙い、押し目戻り狙い・・・。
これらはエントリー時の相場の状態によって分類していますが、エントリー時トレーダーの考えを反映させるかしないかで分類すると、
- 裁量
- 半裁量
- システム
の3つに分けることができます。
今回はこの3つのエントリースタイルについて考えます。
裁量エントリー
裁量エントリーはある程度のルールを持ちながら、その範囲内で自分が「勝てる!」と思った時にエントリーする方法です。
代表的な手法としては、ダウ理論、エリオット波動、ライン、チャートパターン等の主観性の強いテクニカル分析を用いた手法が挙げられます。
ここではその他にも、「移動平均線が急角度で上を向いたらロングする」等の第三者が見て同じエントリーポイントとして認識するのが難しそうなルールも裁量エントリーにします。
裁量エントリーの利点
- トレードルールの範囲内で柔軟にエントリーできる。
- その時の相場の状況、流れ、ファンダメンタルズも考慮に入れられる。
- 上達すればどんな相場でも勝てるかも?
裁量エントリーの欠点
- 習得するには相応の経験と努力が必要。
- 精神的な変動によってトレードにも影響が出やすい。
- 相場の流れを長く把握し、先を読んでシナリオを立てながらチャートを見ていかなくてはいけない。
- 検証によって統計的な数字が出しにくい。
ルールにもよるけど、自分で相場を主観的に分析してそれに合わせて裁量でトレードするのは、難しいよ。
経験も必要だし、メンタルも必要だから、トレードに慣れた人向けだと言えるね。
半裁量エントリー
半裁量エントリーは、システムと同じように客観的かつ明確なエントリー手法を持ちながらも、実際にエントリーするかどうかについては自身の裁量判断に任せるやり方です。
例えば、ローソク足の実体がMA21を超えたらロングエントリー、割ったらショートエントリーするというルールは客観的かつ明確なエントリーです。
しかし、実際にエントリーをするかどうかは、その時のチャートパターンや上位時間軸等を参考にしながら決めていきます。
半裁量エントリーの利点
- エントリー自体は客観的かつシステム的に分かるのでトレードしやすい。
- その時の相場の状況等を総合的に考えてトレードの有無を決められる。
- 検証によって統計的な数字が出しやすい。
- エントリーポイントが明確なのでポジポジ病になりにくい。
半裁量エントリーの欠点
- どうしても裁量が入るので習得するには経験と努力が必要。
- エントリーがシステム的であってもシナリオを立てながらチャートを見る必要がある。
もちろん半裁量にもデメリットがあるけど、初心者には半裁量をオススメするね。
システムエントリー
システムエントリーは、その名の通り、裁量判断を一切含まないエントリー方法です。
ルールを説明すれば誰にでも同じトレードをする事ができますし、プログラミングすれば自動売買も可能なやり方です。
システムエントリーの利点
- 検証によって信頼できる勝率や損益率が出せる。
- 予め全てが決まっているのでトレードが楽。
- ルールを信じていれば、精神的にも楽。
システムエントリーの欠点
- カーブフィッティング、オーバーフィッティングしてしまう可能性がある。
- 相場の変化によって利益が出せなくなる可能性がある。
- 自分の相場観とシステムのサインが違っても、システムに従わなくてはいけない。
手動でも厳密なルールに従ってトレードすればシストレだよ。
エグジットにも裁量、半裁量、システムがある。
上に挙げたのは全てエントリーについてでしたが、利益確定・損切りにも裁量、半裁量、システムがあります。
エントリーが裁量だから利確も損切りも裁量にしなくてはいけないという決まりなんてありません。
自分の性格を考慮した上で、どれを取り入れるかを考えると良いでしょう。
しかし、裁量トレードをやって負けている人もかなり多いことも事実です。
裁量で勝てていない人は、裁量トレードにこだわらずに、半裁量やシステムを試してみると何か発見があるかもしれませんよ。