今回はお待ちかねのダウ理論について解説します。
ダウ理論は相場の世界ではもっとも有名かつ基本的な理論で、実用性あります。
慣れるまでは少し難しい部分もあると思いますが、押さえるべきポイントをしっかりと理解すれば大丈夫です。一緒に勉強していきましょう。
ダウ理論を学ぶ理由
多くのブログや動画、ダウ理論の重要性について解説しています。
何故なのでしょうか?
それは、「世界で最も有名かつ利用されている相場理論であるから」です。
相場は買い手と売り手のアクションによって動いています。
買い手が売り手を上回れば価格は上昇し、逆に、売り手が買い手を上回れば価格は下落します。
FXの世界では、全てのプレイヤーの数や建玉数を把握することは不可能ですが、人間の行動によって価格が動いているのは疑いようのない事実です。
つまり、相場はプレイヤーの総意によって動いており、そのプレイヤーの多くがが売買の判断基準としてダウ理論を認識している以上、相場はダウ理論に基づいて価格形成しやすくなります。ダウ理論を把握しておけば収益チャンスが生まれやすいということになるわけです。
ダウ理論を重要視していなかったかつての自分
ここでエラそうにダウ理論について解説している自分ですが、実は初心者に毛が生えていたころはそれほど意識していませんでした。
というのも、「ダウ理論は曖昧だ!」と決めつけていたからなんですね。
水平線を引くポイントによってトレンドの切り替わりは違ってくるため、使えないと考えていました。
もちろんそれはダウ理論のデメリットでもありますが、自分なりの水平線の引き方を確立してからは、ダウ理論の有用性を嫌と言うほど実感するようになりました。
ダウ理論をドコで使うか?
ではダウ理論を実践的にどう使っていくべきなのでしょうか?
多くの場合は、ダウ理論は、相場環境の認識や、攻めるべきラインや水準を見つけるために利用します。
期待値プラスを実現しやすい3つの戦略で解説した以下の3点を狙う際にダウ理論はかなり使えるのです。
- ブレイク
- 押し目買い
- サポートにひきつけての逆張り
この3つの局面を見極めようとする際には、、必ず1本以上の水平線をチャート上に引くことになり、そのライン付近での値動きによって、トレードを組み立てることになります。
ラインで跳ね返されるようならば逆張り。
といった具合です。
トレードではそのラインの精度こそが収益に影響を与える最も重要なポイントになるわけで、そのラインを正確に引くためにダウ理論を使用しています。
ダウ理論で押さえるべき3つのポイント
ダウ理論とは6つの法則から構成されているのですが、全部が全部FXで使用されるわけではありません。実践のトレードで押さえるべきポイントは以下の3点です。
- 高値・安値の切り上げ・切り下げでトレンドを認識していく
- トレンドには3つの段階がある
- トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する
順に説明していきます。
①高値の切り上げ・安値の切り下げで波を把握
ダウ理論で最も重要なポイントは、このトレンドの把握の仕方になります。
すなわち、「前回つけた高値を安値を切り上げて更新したら上昇トレンド、前回つけた安値を高値を切り下げて更新したら下落トレンド」と把握します。
では実際のチャートで見てみましょう。
上昇トレンドの場合
ぱっと見ただけで上げているのは分かりますが、高値安値に注目して波を見ていきましょう。
このような波が描けました。
波の山や谷を見てください。
しっかりと高値を切り上げ、安値を切り上げているのが分かると思います。
下降トレンドの場合
考え方は上昇トレンドと同じです。
波を描いていきましょう。
波の山と谷を見ると、今度は高値と安値を切り下げています。
これが下降トレンドです。
高値・安値をチェックするときの注意点
ダウ理論に従って高値・安値をチェックしていくときに注意すべき点があります。
それは、
「安値を更新することで初めて高値がチェックできる」
ということです。
これは非常に大事です。
上昇トレンド中で、高値をせず、安値も更新せず・・・の中途半端な状態の場合は、一応はレンジっぽく見えますが、まだまだ上昇トレンド中です。
基本的には相場の波は次の波が始まるまではいつまで続くか分かりません。
このことは非常に重要ですので頭に入れておいてください。
②トレンドの3段階 ~先行期・追随期・利食い期~
ダウ理論によると、トレンドは3つの段階によって形成されると言われます。
先行期(第一段階)、追随期(第二段階)、利食い期(第三段階)の3つです。
- 先行期:底値圏での買い、天井圏での売り。その後の方向を決定づける動きを出す買いや売りが出た場所
- 追随期:先行期での動きを見て一般投資家が追随する場所。多くの参加者が参入し、レートが伸びやすい場所
- 利食い期:利益確定の動きが出始めた場所。流れのピーク
図で表すとこのようになります。
先行期では、下降トレンドが終焉に近づき、底値圏で買いが入り、それまでの下落の流れが上昇に転じます。流れが上昇に転じたため、一般投資家がその流れに追随し、メインのトレンドである追随期が発生します。その上昇が天井圏に達し、利食いの売りが出始め、トレンドの終了または転換が起きます(利食い期)。
そしてこの利食い期は次の下落の先行期と重複します。
ダウ理論ではトレンドをこのように3段階に分けて把握しています。
重要なことは、順張りでトレードを行う場合、トレードを行うべき段階は追随期だということです。
先行期での買いが入る前では、それまでの流れは下落ですから、無闇に買いを持っても下落の流れに巻き込まれてロスカットになってしまう確率が高いです。
一方で、先行期による買いが入り、方向が決定づけられた後の追随期では、多数の一般投資家の買いが入ってきやすい状況にありますので、順方向にポジションを取ることで、利益になる確率が高くなります。
また、トレンドはいつかは必ず終了し、調整や転換が起きますので、利食い期に新たに順方向のポジションを持つと、トレンド終了の売りに巻き込まれてしまいます。
しかし、トレンドの終了地点は長期のチャートを分析することで、ある程度あたりをつけることが可能ですし、もしロスカットになってしまったとしても、追随期でしっかりと利益を確保できていればトータルで利益を残すことは可能です。
一番やってはいけないことは、しっかりと先行期の買いが入る前に、逆張りで買いを乱発し負けを量産することです。
順張りで利益をあげやすいのはトレンド中です。
順張りで入るのならば、しっかりと先行期で買いが入ったことを確認してからにしましょう。
③トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する
ダウ理論では、高値と安値の更新具合に着目してトレンドを把握していきます。
安値を切り上げて高値を更新したら上昇トレンド、高値を切り下げて安値を更新したら下落トレンド、とダウ理論では把握します。
では、トレンドの終わりはどうやって判断するのでしょうか?
詳しく解説します。
上昇トレンドが終わるとき
上の図の左半分は上昇トレンドですが、赤い○のポイントで直近の安値を割っています。
ダウ理論では、この時点で上昇トレンドが終了したと考えます。
なぜなら、ダウ理論における上昇トレンドの定義は、「高値と安値を切り上げ続ける」だからです。
つまり、安値を切り下げた時点でトレンドは終了です。
ただし安値を切り下げた時点で下降トレンドに入ったと考えるのは早計です。
場合によっては更に高値を更新してくることもあります。しっかりと下降トレンドの定義の動きになるまでは決めつけて動かないように注意しましょう。
下降トレンドが終わるとき
下降トレンドが終わるときの考え方も同じです。
高値と安値を切り下げられなかった時点でトレンドが崩れたと判断します。
上の図では赤い○のポイントで直近の高値を上抜けていますので、この時点でトレンドの終了と考えます。
ダウ理論はシンプルで使えるが練習が必要
ダウ理論に従ってトレンド状況を把握することで、現在の相場状況が、上昇局面なのか下落局面なのかを大まかに認識することができます。
つまり、どの安値を割るまでは買いで攻めて、どの高値を超えるまでは売りで攻めるかという、トレードの組み立てができるようになるということです。
ダウ理論を使った実践ではラインを使ってトレードしていくことになります。
私個人としては、特に波のとらえ方が重要だと思っています。
ダウ理論はシンプルです有用ですが練習は必要です。
そこで次回はダウ理論の練習をやってみましょう!