トレードの目的は口座資金を増やすことです。
口座資金を効率よく増やすためには、トレードで得た利益を使わずに、更にトレード資金として利用する「複利」の運用が必須となります。
ここでは、複利運用について考えます。
単利の場合はトレードで得た利益は引き出して使う、っていう意味になりますね。
単利運用VS複利運用
では、単利運用と複利運用で、どれくらい資金の伸びに違いが出るのか、ちょっとしたシミュレーションをします。
やるシミュレーションは2種類。
- 1つめはトレード手法に優位性のある場合、複利と単利で資金の伸びはどれくらい違うのか?
- 2つめはトレード手法に優位性が無い場合、単利と複利で資金の減り方はどう違うのか?
といったことを見ていきます。
1.勝てる手法でのシミュレーション
初期口座資金は100万円で勝率60%で損益率1.0の手法で100回トレードします。
毎回のトレードリスクを常に5万円(5%単利)としたもの(A)と、口座資金の5%(5%複利)としたもの(B) について、口座資金の推移をエクセルを使って比較して みました。
シミュレーションは、エクセルの乱数発生を利用して、トレード100回分を1セットとしてそれを10セット行い、各セットにつきAとBの資金管理における口座資金の推移を求め、グラフにまとめました。
このグラフを見ると、総じて青い線=複利運用の方が大きな利益を出せることがわかります。
勝率60%で損益率1.0というのは決して優れた手法ではありませんが、単利か複利かという資金管理で大きく結果は変わってくることを示す良い例です。
上のシミュレーションの場合、Aの単利では常に5万円分のトレードリスクとなりますが、Bの複利では、トレードごとに賭ける金額が変わってきます。
つまり、資金が増えるにつれて賭ける金額が増えて行くために、口座資金が単利よりも増大するのです。
2.優位性の無い手法でのシミュレーション
勝てる手法でのシミュレーションでは、複利運用の方が大きな利益を出せる結果となりました。
では優位性の無い手法でトレードしてしまった時はどのように資金が減って行くのでしょうか?
またシミュレーションしてみました。
初期口座資金は100万円で勝率30%で損益率1.0の手法で100回トレードします。
毎回のトレードリスクを常に5万円(5%単利)としたもの(A)と、口座資金の5% (5%複利)としたもの(B) について、同様に資金の変動をグラフ化しました。
さすがに勝率3割の損益率1.0ともなると早い速度で資金が減少しますね。
そして注目すべきは単利と複利の資金の減り具合です。
赤線の単利は、毎回の取引で5万円定額をリスクにさらすことになりますので、かなり速いスピードで破産していきます。
しかし、青色の複利は口座資金に連動してリスク額が変動しますので、口座資金が減れば減るほど賭け金も少なくなり、段々となだらかな資金の減少具合となります。
複利運用の方が利殖に向いている上に守りも強い
以上のように、リスク額固定でトレードしていくよりも、口座資金のX%をリスクにさらして行くほうが、効率が良いことがわかります。
今回のシミュレーションでは、わかりやすくするために1回のトレードリスクを5%として計算しましたが、現実的には5%という数字は大きすぎます。
実際にトレードする場合は1%以下のリスクでトレードしていくことをお勧めします。
バフェット、リバモア、ラリー・ウィリアムズ、BNFなど、大金を稼いだ有名なトレーダーはどれも複利の力を利用して資金を増やしたんだ。
もちろん精神的な問題はあるけど、効率よく稼ぐなら複利一択だね。