
今回は移動平均線の話です。
移動平均線はインジケータの中でもポピュラーなものですからトレードに使用している方も多いかと思われます。
移動平均線は一般的に、「短期と長期のクロスで買い」や、「移動平均線と価格がクロスしたら売り」のような、エントリーの具体的なサインとして使われることが多いですね。
この他にも、グランビルの法則のようにある程度傾きのあるMAは反発しやすいという性質もあります。
この性質を利用したトレードテクニックについて解説していきます。
Contents
移動平均線のポイント
今回お話しする移動平均線のポイントは2つです。
- 角度を持った移動平均線は逆方向に抜けにくい
- 一度反応した移動平均線は次回も反応しやすい
順に説明していきましょう。
①角度を持った移動平均線は逆方向に抜けにくい
メジャーな移動平均線のパラメータは、20や21が多いですね。
チャートに表示させると以下のようになります。
上のチャートに表示させている橙色のラインがSMA20になります。
私が移動平均に関して最も良く観察している点は、「移動平均線が明確な傾き(角度)を持っているか否か」という点です。
そして、「明確な傾きを持った移動平均線は逆方向に抜けにくく、傾きがない(平行に近い)移動平均は抜けやすい」というのが基本的な考えです。
つまり、移動平均線に傾きがあればサポレジとして機能し、横ばいであれば機能しないと考えます。
下のチャートをご覧ください。
このチャートの赤い四角で囲った箇所は、MAが横向きになっています。
逆にそれ以外の箇所は移動平均線が明確な傾きを持っています。
基本的には、移動平均線が明確に傾いている状態でレートがMAに接近してきた場合、私は抜けないことを前提にチャートを見ています。
一方で、移動平均線が平行に近い状態でレートがMAに接近してきた場合、私は抜けることを前提にチャートを見ています。
当然ながら、移動平均線が明確な傾きを持っていたとしても、トレンド終了もしくは転換の局面では逆方向に抜かれることも多々あります。
移動平均線が傾きを持っているから問答無用で順方向にエントリーをするのではなく、あくまで、順方向のポジションを持つときの根拠のひとつとして使用するに留めておくべきです。
②前回反応した移動平均線は次回も反応しやすい
移動平均線の特徴として「前回反応した移動平均線は次回も反応しやすい」というものがあります。
この特性は、主にトレンド相場において押し目買いをしていくときに有用な概念となります。
実際のチャートで見ていきましょう。
青い○を付けたポイントがMAから反発している所です。
チャート左側は下落トレンド、右側は上昇トレンドですが、どちらにしても一本のMAがこれでもか!というくらいに効いてますよね。
もう一例見てみましょう!
今度は下落トレンドのみですが、MAに当たっては下げ、当たっては下げ・・・という挙動を繰り返しています。
反発しやすいMAのポイント
これまで解説したように、MAがあたかもトレンドラインのように機能する局面はよく見られます。
このような状況になりやすいのは以下の2点です。
- 高値安値を切り上げているトレンド相場
- トレンドを発生させた初動の波の起点にMAが存在する場合
下のチャートをご覧ください。
矢印を引いた箇所が最初の押し目です。
この押し目を付けてから高値を更新して「上昇トレンド」ということが分かったら、押し目の安値のポイントにMAが当たるようにパラメーターを設定してやります。
するとどうでしょう、次回以降もレートがMAに当たったときに反発していることが分かります。
その時の相場によってMAのパラメーターを変更するのはアリ?
このやり方は、相場に合わせてパラメーターを変更してやります。
人によっては「邪道」と言う声も聞こえてきそうですが、果たしてこれはダメな事なんでしょうか?
よくよく考えてみてください。
水平線やトレンドラインって、どちらもその時の相場に合わせてラインを引いていますよね?
それってその時の相場に合わせてパラメーターを調節しているのと同じ事じゃないんでしょうか?そうです、一緒なんですよ。
移動平均線は押し目買いや戻り売りに使える
今回ご紹介した「相場に合わせて移動平均線のパラメーターを変更する」というやり方を使うと、次の押し目買いや戻り売りのポイントがより分かりやすく見えるようになります。
これはカーブフィッティングではありません。
あくまでも現状の相場に対応したやり方です。
ぜひやってみてください。