市場に大きな影響を与える「ワイドレンジバー(Wide Range Bar)について解説!
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今回はワイドレンジバー(Wide Range Bar)について解説します。

意味としては「大きな値幅の足」で、日本語では長大陽線や長大陰線と呼ばれます。

ワイドレンジバーは相場に大きなインパクトを与えた足であるため、その後の値動きにも影響することが多いです。

つまり、ワイドレンジバーを強く意識することで、トレードのエッジが得られるのです。

アマギ
実は私も長年ワイドレンジバーを使っています。

ワイドレンジバー(WRB)とは

ワイドレンジバーは、英語で「Wide Range Bar」と表記されるもので、周りのローソク足よりも目立って実体の大きな足のことを言います。

英語ではWRBと略されますが、BをBar(バー)とするかBody(ボディ)とするかの違いがあります。

個人的にはどちらでもいいのですが、厳密に言うと、実体の大きな足ですのでワイドレンジボディの方が正しいのかもしれません。

アマギ
ただ、言いやすさと私が長年使ってきたこともあって、本記事ではワイドレンジバーと呼ぶことにします。

ワイドレンジバーの定義

ワイドレンジバーについては明確な定義はありません。

実体の大きさが何pips以上と定義したとしても、時間軸や通貨ペアのボラティリティ次第ではどんな足でもワイドレンジバーとなってしまいます。

明確な定義はありませんが、チャートをパッと見て「コレ明らかに実体が大きいよね」と言えるものがワイドレンジバーです。

下のチャートの黒い枠を付けた足がワイドレンジバーです。

その時の相場のボラティリティにおいて、明らかに大きな足で、ヒゲが短いのがワイドレンジバーになります。

ワイドレンジバーの特徴

ワイドレンジバーには以下のような特徴があります。

  1. トレンド相場でもレンジ相場でも出現する
  2. 各種のブレイクの起点となる
  3. 大きな方向性を示す
  4. 相場の需給関係の変化を早く感じ取れる

トレンド相場でもレンジ相場でも出現する

ワイドレンジバーは今後の相場の方向を示すことが多いです。

陽線のワイドレンジバーであれば、今後は上昇する可能性が高い、逆に陰線のワイドレンジバーであれば今後は下落する可能性が高いと言えます。

特に相場が停滞してボラティリティが小さくなってきた時に、何らかがきっかけとなって大きく動いてワイドレンジバーが出現した場合は、その方向にブレイクしていきやすいです。

大きな流れが上昇トレンドで、その中の一部で停滞相場となり、そこから陽線のワイドレンジバーが出現すれば、更に上昇が続くことを示唆します。

このように様々な相場でワイドレンジバーが観察できます。

各種のブレイクの起点となる

ワイドレンジバーは様々な個所で出現しますが、一番目立つのが、それまで相場のサポレジとして機能していた価格をブレイクしていく時です。

それまで貯めていたエネルギーが一気に弾け、損切り注文を巻き込みながらグングン上昇していく値動きこそ、典型的なブレイクアウトのパターンと言えます。

直近の高値や安値をブレイクすることでそれまでのレンジ相場が終了し、そこからトレンドが始まることもあります。

アマギ
私もこの性質を利用してチャート分析&トレードしています。

大きな方向性を示す

ワイドレンジバーが出現すると言うことは、短期間の間に大きく相場が動いたことを意味します。

短期間で相場を大きく動かせるのは誰でしょうか?
それは一般トレーダーではなく、相場を動かせるほどの資金力を持った大口です。

そうです、つまりはワイドレンジバーが出来るためには大口の力が必要不可欠です。

「ワイドレンジバー=大口の介入」と考えれば、大口の目線や今後、買うか売るかの戦略も見えてきます。

相場の需給関係の変化をいち早くキャッチできる

それまで平穏な動きをしていた相場の中で、突然発生した大きな値動きこそがワイドレンジバーです。

これこそが相場の需給関係が崩れていることを示すサインです。

レンジ相場の場合、需給のバランスが保たれているからこそ、値幅が小さく、横ばいに推移します。
しかし、ワイドレンジバーが出現することで、一気にバランスが崩れて市場に大量のお金が入り込み、流動性を相場が動き出すのです。

ローソク足が短い相場はボラティリティが小さく、ボラティリティが大きくなるほど、ローソク足も長くなります。

つまりローソク足の長さによって需給関係が見えるのです。

上手く利用すれば、他のテクニカル分析よりも圧倒的に早い段階で相場の変化に気づくことができます。

また、このような相場の需給関係の変化は、サプライズのあった経済指標の発表や、インパクトのある突然の要人発言が原因であることも少なくありません。

このような明確な材料がある場合、ワイドレンジバーのサインの確度は上がります。

ワイドレンジバーを利用したトレード手法を解説!

では実際に、ワイド・レンジング・バーを活かしたトレードの方法を説明しましょう。
ワイドレンジバーをトレードで利用できるポイントとしては以下の4つがあります。

  1. レンジからのブレイクアウトのエントリー
  2. トレンド終盤の利食い
  3. 押し目買いや戻り売り
  4. ワイドレンジバーの始値で損切り

レンジからのブレイクアウトのエントリー

ワイドレンジバーは相場の需給の変化を示します。
場合によっては大口が入ってきていたり、ファンダメンタルズの変化を示します。

サポレジラインや緩やかなトレンドラインが長く効いている相場の中で、ワイドレンジバーが出現してブレイクしたらどうなるでしょうか?

ワイドレンジバーは需給の変化を示すわけですから、一気に損切り注文を巻き込みながらブレイクしていく可能性が高いと言えます。

このチャートでは長くサポーととして機能していたラインを、たった1本のワイドレンジバーが出現しただけで、底が抜けていったかのようにブレイクしました。

この中で「どこでエントリーするか?」についてですが、ワイドレンジバーが確定した時点で入っても良いですし、次の足でワイドレンジバーの高値や安値を抜けてきたタイミングで入ってもいいでしょう。

つまり、推奨としては以下のタイミングです。

  • 上昇トレンド:次のローソク足がワイドレンジバーの高値を超えたポイント
  • 下降トレンド:次のローソク足がワイドレンジバーの安値を下抜けたポイント

ちなみに私がトレードで重宝しているオリジナルのワイドレンジバー検出ツールでは、ワイドレンジバーが出現した所でサインが出ます。

緑色の◎ですね。

トレンド終盤の利食い

ブレイクアウトを使ってエントリーが出来るように利食いでもワイドレンジバーが利用できます。

というのも、相場にはバイング・クライマックスやセリング・クライマックスといった、トレンドが過熱した最終局面においてワイドレンジバーが出ることが多いからです。

下のチャートはセリングクライマックスです。

誰がどう見てもトレンドが長く続いている状況でこの足が出たら利確です。

上昇トレンドのバイングクライマックスも同じです。

緑の◎が点灯しているところがバイングクライマックスです。

トレンドの終盤であることが大前提ですが、このように利食いに使用することもできるのです。

押し目買いや戻り売り

ワイドレンジバーはトレンドの起点やクライマックスを見極めるだけでなく、押し目買いや戻り売りにも使えます。

例えばトレンド中に押し目が入って一時的に下げて、そこからワイドレンジバーが出現して反発してきたらどうでしょうか?

絶好のエントリーポイントになりますよね。

このチャートの右2つの緑色のドットが出たポイントこそ最高の押し目買いのエントリーチャンスです。

押し目や戻りでトレンド方向のワイドレンジバーが出ると言うことは、今後更にトレンド方向に進むことを強く示唆するシグナルです。

実際私もこのエントリーポイントをメインのトレードしており、安定して利益が出せています。

ワイドレンジバーをブレイク狙いで使うのも良いのですが、押し目買いや戻り売りに特化して使うと、より高勝率のトレードができます。

ワイドレンジバーの始値で損切り

ワイドレンジバーの始値は、市場でも注目される価格です。

なぜなら、その足から価格の需給のバランスが崩れたことになり、その裏には大口の取引が入っていることが多いからです。

大口は複数回に分けてポジションを取ります。
その際、ワイドレンジバーの始値まで戻してきたところで再度ポジションを取ることが多いです。

その結果、ワイドレンジバーの始値付近では反転することが多いです。

この性質を利用して、ワイドレンジバーの始値より少し上に損切りを置くことで損切りにヒットしにくくなります。(ショートの場合)

ワイドレンジバーを使う場合の注意点

ワイドレンジバーはとても便利なローソク足ですが、注意点もあります。
使う際は以下の2点を頭に入れておいてください。

  • 判断が難しい場面がある
  • 機能する局面だけで使う

判断が難しい場面がある

前述の通りワイドレンジバーは厳密な定義がありません。

あくまでもその時の相場のボラティリティの中で、実体が目立って大きくヒゲの短い足がワイドレンジバーになります。

実体が○○pips以上とか、ヒゲの長さは○○pips未満とか、そういった決まりは無いんですね。

それがワイドレンジバーを判断する難しさに繋がります。

私もワイドレンジバーを利用してトレードしている一人なので、このデメリットについては早く気づいていました。

そこで考えたのが自分なりのワイドレンジバーの定義化。
定義化したものをインジケーターにしてトレードで利用しています。

それが下のチャートのドットです。

このインジケーターは私の教材を購入された方に配布しています。

機能する局面だけで使う

ワイドレンジバーは至る所で出現します。

しかし、その中で本当に使えるところは限られています。
ワイドレンジバーが出たらすぐにエントリーするのではなく、出ている場所、つまりは相場の状況をしっかりと把握したうえで、ワイドレンジバーの意義と意味を考えるようにしましょう。

そうすることで、ワイドレンジバーを最大限利用できるようになるはずです。

アマギ
たった一本のローソク足ですが、相場に与える影響は大きいのです。

 

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