今回の記事では、移動平均線クロスを進化させたテクニックを解説します。
移動平均線クロスと言えば、2つのMAがクロスしたらエントリーする・・・といった昔からあるやり方ですが、これだと飛び乗りになったり、逆にレンジ上限でロングしてしまったり・・・デメリットも多いです。
また、現実問題として移動平均線クロスオーバーシステムで取引しても勝てません。もちろんバックテストして適切なパラメーターを求めれば結果は違ってくるかもしれませんが、カーブフィッティングの罠もあります。
しかし、今回ご紹介するテクニックを使えば、ダマシを避けつつピンポイントのエントリーができるようになります。
ぜひご覧ください。
移動平均線種類はEMA、期間は20と50
今回の手法で使用するインジケーターは20EMAと50EMAです。
「これじゃないとダメだ!」と言うわけではありませんが、トレードチャンスの多さとダマシの少なさを考えるとこれがベストです。
赤いラインが20EMA、青いラインが50EMAです。
これだけを使うので、チャート自体はスッキリです。
トレード方法
ロングエントリーのルールについて解説していきます。
ショートエントリーの考え方も全く同じですので、逆で考えてください。
1.2本のEMAがクロスする
まずは2本のEMAがゴールデンクロスするのを待ちます。
伝統的なやり方では、クロスした時点でエントリーですが、この手法ではあくまでもセットアップの一つに過ぎません。
まずは焦らずにクロスした事実を確認するだけでOKです。
2.クロス前の段階から高値と安値を切り上げていることを確認する
MAがクロスしたら、クロスする前の水準(デッドクロス中)から上昇の波が描けるか確認します。
上昇の波とは、安値と高値を切り上げる動きです。
もしここで上昇の波が描けなければ、セットアップ条件を満たしていませんので、次のエントリー条件を満たしても入りません。
この辺は厳しく判定していきましょう。
3.クロス後に20EMAを下回り、再度ブレイクしたらエントリー
MAクロス後に、ローソク足の実体が少なくとも20EMAまで押しが入るのを待ちます。
そして、再度20EMAをブレイクした所でエントリーします。
損切りは2本のMAがクロスした所に置きます。(すぐ下の安値ではありません)
利食いはトレンドフォローなのでリスクリワードを2以上に設定します。
トレイリングストップとして、ある程度利益が出た後に、20EMAをローソク足の実体が再度下回ったら利食います。
こうすることで、損失を限定しつつ利益を伸ばし続けられます。
手法のまとめ
- 移動平均線がゴールデンクロスする
- 波が高値と安値を切り上げている
- ローソク足が20EMAを一度下回り、再度ブレイクする
手法としてはトレンドの押し目買いです。
場合によってはブレイクアウトでエントリーすることにもなります。
トレンド方向を相場の波と移動平均線のクロスの2つで確認してエントリーするため、逆張りにならずにトレンドフォローできます。
裁量の余地は少ない手法ですが、相場の波を判断する時に裁量が必要です。
波の判断については大まかな波ではなく、少し細かめの波で判断すると良いです。(50EMAと20EMAの場合)
大まかな波で判断したい場合は、2本のEMAのパラメーターを大きくすることをお勧めします。
トレードの例
他のトレード例についてチャート画像を出して解説していきます。
ロングエントリー1
エントリー直前にローソク足が50EMAを下回っていますが、エントリー可能です。
押し目を作っている時点で20EMAと50EMAがデッドクロスしていたらエントリーは諦めます。
このチャートではMAクロスのレートで反発してエントリーになっています。
ロングエントリー2
エントリー後にしばらく逆行しました。
しかし、ストップロスにギリギリ当たらず上昇したパターンです。
この手法で損切り値を直近の安値に置かないのはこういったところで損切りに合わないようにするためです。
タイトなストップロスは損小利大につながるメリットはあるんですが、その分だけ勝率を犠牲にします。負けて必要以上にイライラしてストレスを貯めこむくらいなら、多少ストップを広めにとってトレードしたほうが、ルールに沿ったトレードがしやすくなると思いますよ。
ショートエントリー
最後にショートです。
考え方はロングを上下反転させたものです。
移動平均線がデッドクロスして、波の高値と安値が切り下げていて、MAを上抜けて下にブレイクしたらエントリーです。
色々と応用してみよう
今回は移動平均線のクロスを発展させた手法を解説しました。
再度エントリーについてまとめます。
- 2本のEMAがクロスする
- クロス前の段階から高値と安値を切り上げていることを確認する
- クロス後に20EMAを下回り、再度ブレイクしたらエントリー
今回のルールに加えて、マルチタイムフレーム分析やローソク足のプライスアクションやパターンを組み合わせると、より精度を高められます。
やってみよう!と思った方は、ぜひ検証からやってみてください。