今となっては伝説となったトレーダー「GFF(グフフ)さん」をご存じでしょうか?
2010年の5月から7月のたった3ヶ月間で資金を10万円から6億円まで増やしたスーパートレーダーです。
こう書かれると、知らない人でも興味が湧いてくるのではないでしょうか?
GFFさんは当時ニコ生でトレードを生配信しており、私も彼のトレードを見ながら一緒にトレードをしていたものです。
本当にリアル口座で含み損益がガンガンと上下するのは痺れましたよ・・・。
当時のGFFブームは本当に凄かったのを覚えています。
本記事では、そんなGFFさんの手法やいかにして資金を増やしたか、そして手法についてまとめます。
GFF(ぐふふ)氏とは?
GFFさんは、一時的に資金を10万円から6億円(含み益)まで増やしたトレーダーです。
派遣の仕事をしながらFXを始め、急に勝てるようになってからはニコニコ動画でトレードを生配信するようになりました。
当時は国内業者であってもレバレッジ規制も無かったこともあって、GFF氏の大ロットで仕掛けるトレードはたちまち大人気に!リアルでガチの億トレーダーのトレードが見られるということで、当時のトレーダーの多くがGFFさんの動画にくぎ付けになっていました。
彼のトレードの履歴は以下のようになっています。
- 2008年:トレードを始める
- 2010年5月:トータルで400万円負ける
- 2010年5月19日:元手10万円でトレード開始
- 2010年5月下旬:資金を1000万円に増やす
- 2010年6月上旬:資金4000万円を突破
- 2010年6月26日:資金が2億4000万円
- 2010年7月2日:資金が3億2,800万円
- 含み益が一時6億円!!
- 2010年7月9日:資金が4億5,300万円
- 2010年7月14日:伝説となった-3億円のロスカット事件
- 2010年9月ごろ:1億円ほどまでに減らす
- 2011年5月:30万円・・・
最初はかなり負けていたようですが、急に頭角を現します。
そして2010年5月からはとんでもない勢いで資金が増えていますよね。
当時はニコニコ動画だけでなく2ちゃんねるでも超有名人となり、enSPAの7月号ではGFF氏が特集されました。
そしてGFFさんが伝説になったのは2010年7月。
一時的に含み益ながらも資金が6億円に到達。
そこから3億円のロスカットというジェットコースターのような資金の浮き沈みをリアルタイムで生放送したことで、GFFさんの名前がFX業界に轟きました。
伝説の3億円ロスカット
たった10万円を一時的には6億円まで増やしたGFFさん。
しかし、好調は長くは続きませんでした。
当時GFFさんはポンド円をガンガンショートして1万6000枚のポジションを保有。
1枚は1万通貨。当時のポンド円は135円程度だったので、210億円以上のポジションを持っていたことになります。
凄いメンタルですよね!
強気でショートポジションをホールドして一時はかなりの含み益になっていましたが、ポンド円は反転して上昇。
そして含み益が消え、マイナスになり、最終的には3億円のロスカットとなってしまったのです。
ロスカットのシーンの動画は以下の2つをご覧ください。
ロスカットの瞬間は動画の終盤57分頃です。
凄い動いたぞこれ。
もう俺の力ですか。俺の力ですかこれ。グフフフフ
俺の力ですね
意外と冷静です。
3億円を失うと、こんな感じになるんでしょうか?
それともGFFさんだからでしょうか?
もう俺の力ですか、俺の力ですか
とあるように、GFFさんのロスカットでポンド円のレートが30pips上がりました。
約200億円のポジションを決済すると、こんなにも相場が動くんですね。
実はこの時の動きは、後でニュースの記事にもなりました。
そして30pips上昇後、再び下落・・・。
これは機関投資家にポジションを狙われたのではないか?という見方が強いです。
ネットで自分の大量のポジションとロスカット水準を公開していたんですから、狙われて当然と言われれば当然ですよね。ロスカットさせることが出来たら、価格が大きく動くことが明白なので大金がゲットできるわけですし。
自分のトレードを生中継するのも良いですが、ポジションが大きくなるほど、それだけリスクが高まっていることも知っておくべきです。
GFF氏の手法
10万円を瞬間的にでも6億円に増やしたGFFさんの手法をご紹介します。
プロの情報で相場環境をチェック
トレードで欠かせない相場環境認識ですが、GFFさんは川合美智子さんと吉田恒さんの発信する情報を利用していました。
特に川合美智子さんのブログは欠かさず、サポートやレジスタンス、トレンド方向等を参考にしてエントリー方向を考えていました。
川合さんのブログは以下からご覧ください。
https://www.trade-trade.jp/blog/kawai/
RSi+トレンドラインでエントリー
GFFさんのエントリールールは至ってシンプル。
14期間のRSIにトレンドラインを引いて、ブレイクしたらエントリーです。
具体的なやり方としては、日足を見てトレンド方向をチェック。
10分足チャートにRSIを表示して、トレンドラインを引いてブレイクしてきたところが日足のトレンド方向と同じだったらエントリー。
利食いはRSIが70~80以上(買いの場合)、30~20以下(売りの場合)、もしくは直近の高値や安値で行います。損切りは、ブレイクしたラインが再度戻ってきた際に行います。
窓埋めも積極的に狙う
GFFさんは、週に1回発生する可能性のある「窓」が埋まる方向にエントリーする「窓埋め手法」も積極的に使っていました。
一般的に窓が埋まる可能性は9割ともいわれるため、それを狙っていったわけですね。
特にRSIのトレンドラインブレイクの方向と窓埋めの方向が重なる時は高勝率で、GFFさんの得意とするところでした。
なぜGFFさんは最終的に稼いだお金を失った?
たった10万円を一時は6億円にまで増やしたGFFさん。
しかし、最終的には30万円にまで減らしてしまいました。
なぜこんなことになったのでしょうか?
1億円の含み損からプラスに持っていけた経験
GFFさんは、3億円のロスカット前に、1億円近い含み損からプラスに持っていった経験がありました。本当は損切りしないといけないのに、何とか耐えて、プラスに持って行った。
金額の過多はともかく、トレーダーならこんな経験したことありますよね。
GFFさんもこの経験から「今回も行けるだろ」という考えがあったようです。
しかし、結果としては3億円ロスカットから一気に調子を崩していきました。
手法が相場と合わなくなった
2010年5月から急に勝てるようになったGFFさん。
その一番の要因は、単に手法と相場がピタリと合っていたからで、7月以降からは流れが変わって手法が通用しなくなったと回顧しています。
改めて考えてみると、手法と相場がピタリと合った時に上手にレバレッジをかけてトレードした結果が6億円だった、と言うことになるんでしょう。
もちろん、運だけで6億円稼げるわけではありません。
増え続ける資金を前に、淡々とトレードを続けられたからこそ6億円まで増えたんだと思います。
GFFさんがお金を失って約1年後の2011年にラジオ日経に電話出演してインタビューを受けています。6億円まで増やす時の心情やほとんどを溶かした後の感想などについて語っています。
FXをしたこともない、知識もないコメンテーターモドキがGFFさんを小馬鹿にしたように喋っていて気分悪いですが、GFFさんのその後を知れる貴重な動画です。
ハイレバレッジ過ぎた
GFFさんは当時100倍以上のレバレッジでトレードすることもよくありました。
このおかげで資金を大きく増やせたのですが、リスクの取りすぎでした。
FX口座に数億円あって、含み損1億円を抱えるのはどう考えても危険です。
しかし、この状態になれてしまうと「まだまだ大丈夫」と思って、高いリスクを取ることが当然になったのでしょう。
gff氏のその後から現在まで
10万円を6億円にまで増やした後は、鳴かず飛ばずだったGFFさん。
翌年の2011年5月には資金が30万円にまで減り、涙の引退宣言をします。
この引退宣言で、職を得るために工場の面接を受けていることも明らかになりました。
前年にFXで稼いだお金も溶かしてしまったため、税金が払えない状況にまで落ちていたのです。
しかし、引退宣言後もインヴァスト証券のリアルトレードグランプリに参加します。
得意のRSIトレンドライン手法で挑みますが、結果は惨敗。
資金の推移は以下のようになりました。
トレードする度に負けて行っています。
残念ながら約3カ月で50万円ほどの損失で終わりました。
GFFさんが6億円まで資金が増えたのはラッキーだったのでしょうか?
いや、私は違うと思います。運だけで6億円までは増やせません。
しかし、彼のトレードが全て良かったわけでもありません。
個人的にはリスクの取りすぎだったと思っています。
ただ、このリスクの取り過ぎが無ければ、彼が一時的にであっても6億円にまで資金は増やせていなかったと思います。
その後、GFFさんはネットから姿を消し、現在はどうなっているのかは不明です。
また彼の活躍が見たいものです。
10年以上昔にこれだけのことをやったGFFさんはもっと評価されても良いと個人的には思っています。