専業トレーダーが教えるFX成功の秘訣: 理論、技術、経験、そして期待値

今日からFXで勝ち続けられるようになるための具体的な方法を書いていきたいと思います。

FXで勝ち続けるために必要なものは

FXで勝ち続けるために必要なもの
  • 理論(知識)
  • 技術
  • 経験

この3つになります。

現在の私はFX歴12年とそこそこあり、大きな挫折を経て、FXだけである程度の利益を継続して出せるようになりました。しかし、このレベルに到達するまでには様々な試行錯誤や失敗、壁がありました。

これらの試行錯誤や失敗、壁をなんとか乗り越えてきた経験から、FXに真剣に取り組んで行くにあたり、具体的に何をしたらいいのか、どのレベルを目指すべきなのか、そのレベルに到達するためにどのような順番で取り組めばいいのか・・・といったことをお伝えします。

アマギ
ハッキリ言います、有料級の情報です。

FXで生計を立てていくための3要素

どのようなトレードスタイルを目指すかは、トレーダー個人の資質や志向によって異なります。

取り組む手法に関しても、損小利小で細かく利益を取っていくのか、そえとも順張りでブレイクポイントを狙って、大きな値幅を取りに行くのかは、自身の経験と試行錯誤の中で明確にしていく必要があります。

アマギ
トレードで経験が必要だと私が主張する理由の一つは、自分に合ったやり方を見つけるためです。

 

しかし、どんなトレードスタイルを選択したとしても、FXで継続して勝ち続けるためには、共通する重要な要素というものが存在するのです。それが以下の3つです。

FXで継続して勝ち続けるための3要素
  1. 月単位、四半期単位、年単位での損益曲線が右肩上がりであること
  2. トレード回数がそれなりにあること(極端に少なくない)
  3. ドローダウンが月の平均獲得利益の半分以下であること

トレード手法やスタイルは数多くあれど、この3つの要件を満たしていないスタイルでは、一時的に勝てたとしても、必ずどこかで行き詰まります。

アマギ
トレードは運が良いだけでも一時的に勝つ事はできます。
でも、長期的なレベルで勝ち続けるには、やはりトレーダーの技量が必要なのです。

3つの要件の満たし方

FXで利益を出し続けることを目標とするのであれば、上で挙げた3つの要件を満たすことが条件となります。

言い換えれば、この3つさえ満たしていれば、トレードで得られる利益によって生計を立てていくことは可能なのです。

アマギ
つまり、どんな手法であっても、3つの用件を満たせば勝てるんです。

 

でも、FXの初心者の方や、まだ勝てていない方が、はじめから上記の要件を一気に満たそうとするのは現実的ではありません。

確立されたトレードスタイルというものは、価格変動の基本的なメカニズムや理論を習得し、技術的、精神的な充実がなされた上で、さらに多くの成功体験や失敗体験を経て徐々に構築されていくものです。

相場の世界で生きていくためには、どうしても少なからずの痛みやジレンマ・矛盾を感じる機会に遭遇します。大半のトレーダーはこれらの痛みに耐えることができず、相反する事柄を自分なりに折り合いを付けて理解することができず、途中で挫折します。

最初から完璧を目指してガチガチのルールでトレードに取り組んでもいい結果は出ません。結果が出せない自分に失望して、精神的に乱れた状態でトレードに取り組んでも、目標は達成できません。

完璧は求めるな!

私が専業になる前に目標としたことがあります。

「30回以上のトレードを行った上で、月に200pipsを獲得する」

最初はドローダウンに関する数値は無視します。
技術が伴っていない段階では、負けを小さくする努力をするよりも、まずは大雑把なことを一ヶ月単位で取り組んで、月トータルで負けない実感を得ることが重要です。

アマギ
細かく間違えるより、大雑把に正しいことをやりましょう

 

この目標を達成できれば、月半ばでのドローダウンは多少あっても、月単位で資金が減っていくことはありません。また、月に200pipsという数字は、小額資金からスタートしても無理なくロットを大きくしていけます。

月単位で平均200pips獲得できるならば、専業トレーダーとして生計を立てていくことは十分可能です。今現在まだ勝てていない方でも、この目標を達成できるレベルには比較的簡単に引き上げることができます。

右上がりの損益曲線を描くために

トレードで勝つための要件が分かったところで、次は「月単位で右肩上がりの損益曲線を描く」について掘り下げていきます。

アマギ
右肩上がり、ってところが重要なんです。

損益曲線とは?

損益曲線とは、獲得pipsや獲得資金の推移をグラフ化したものです。

EAのバックテスト結果をご覧になったことがある方も多いと思いますが、これも損益曲線の一つです。

 

グラフの作り方としては、とても簡単。
例えば、10回のトレードを行ったとして、その結果が以下のようになったとします。

  1. +20pips
  2. -15pips
  3. +18pips
  4. +7pips
  5. -25pips
  6. +14pips
  7. +21pips
  8. -8pips
  9. +10pips
  10. +8pips

合計+50pips

この結果をグラフ化すると、このようになります。

これが損益曲線です。
今回はpipsベースで作成していますが、金額ベースで行ってもOKです。

この損益曲線を右肩上がりにするためにはどうすればいいか?という点に着目します。

損益曲線の比較

損益曲線A

さて、もう一度先ほど作成した損益曲線を見てみましょう。
(この損益曲線をAとします)

損益曲線Aは右肩上がりと言えるでしょうか?

トレード開始時点とトレード終了時点を比較すると、終了時点のほうが上部に位置しています。

5回目の取引で、過去4回の取引で得た利益を吐き出すほどの損失を出していますので、「きれいな」右肩上がりとは言えないと捉える方もいらっしゃるかもしれません。

この点は個人の考え方によって見解が変わりますが、基本的には大雑把に右肩上がりの損益曲線が描けていればいいと思います。なので、上の例はきれいな右肩上がりと判断します。

損益曲線B

さて一方で、次の損益曲線はどうでしょうか?
(損益曲線Bとします)

この損益曲線は、10回のトレードの結果が以下となった場合に描ける損益曲線です。

  1. -5pips
  2. -5pips
  3. -5pips
  4. -5pips
  5. +45pips
  6. -5pips
  7. -5pips
  8. -5pips
  9. -5pips
  10. 45pips

合計+50pips

この損益曲線を先ほどの損益曲線と比較してみましょう。

10回のトレード終了時点の獲得pipsはAもBもどちらも+50pipsで同じです。

しかしながら、視覚的にどちらが綺麗に右肩上がりになっているのかを比較した場合、Bの損益曲線のほうが、より綺麗に描けていると判断できると思います。

アマギ
トレンドラインを惹きたくなるような損益曲線ですよね!

損益曲線C

最後にもう一つ別の損益曲線を見てみましょう。
(損益曲線Cとします)

この損益曲線は、10回のトレードの結果が以下のようになった場合に描ける損益曲線です。

  1. +15pips
  2. +35pips
  3. -55pips
  4. -20pips
  5. -55pips
  6. +45pips
  7. +25pips
  8. -45pips
  9. +60pips
  10. +45pips

合計+50pips

先ほどの2つ目の損益曲線と比較した場合、トレード終了時点での獲得pipsはどちらも+50pipsと差がありませんが、3つ目の損益曲線は視覚的に綺麗な右肩上がりになっているとは言えません。

アマギ
また下げて行きそうにも見えますよね。

あなたが最終的に目指すべき損益曲線は、当然ながらAやBの損益曲線です。

では、なぜトータルの獲得pipsが同じであるのに、これほどまでに描ける損益曲線に差があるのでしょうか?

その理由を考えましょう。

3つの結果を表にまとめる

3つの結果を表にまとめると以下のようになりました。

A B C
勝率 70.0% 20.0% 60.0%
勝ちトレードの平均pips 14.0pips 45pips 37.5pips
負けトレードの平均pips -16.0pips -5pips -43.8pips
プロフィットファクター 2.04 2.25 1.29

個別のデータを統計処理すると、全体の傾向が見えてきます。

これを見て何が分かるでしょうか。

まず勝率を見ると、一番綺麗な右肩上がりをしていたはずのBが一番低くて20%です。
どうやら勝率が高い=右肩上がりにつながるようではなさそうです。

次に勝ちトレードの平均pipsと負けトレードの平均pipsを見比べてみてください。
Bは勝ちトレードの平均が負けトレードの平均の9倍もあります。
Aは少し負けトレードの平均が大きいですが、そこまで差がありません。

最後にプロフィットファクターを見ましょう。
これは(勝ちトレードの総合pips)÷(負けトレードの総合pips)を計算したものですが、Cだけが異様に低いですよね。

その理由はCは得られた利益に対して、失った損失の割合も大きいからです。
つまり、トータルでは勝っているものの、取ったリスクに対して得られた利益はAやBよりも少なかったと言えます。

右肩上がりの曲線を求めるのであれば・・・

以上のことから右肩上がりの曲線を求めるのであれば、勝率と損益と損失のバランスが大事であることが分かります。

特に良い感じで右肩上がりが期待できるのは、勝率低めの損小利大型の値幅追求型、もしくは勝率高めで損小利小の勝率重視型です。

どちらにするかはトレーダー考え方次第ですが、今回ご紹介したCのように時に大きく負けて勝率は普通・・・というスタイルでは、途中で大きな穴が開くことがありますので注意しましょう。

アマギ

究極の理想は勝率高めの損小利大ですが、それを実現するには相当な技術が必要です。このレベルに達するには、まずトータルで勝てることが大前提となります。

前回の記事では、右肩上がりの損益曲線を描くには、勝率と平均利益・平均損失のバランスが重要であるという結論に至りました。

勝率が高ければ良いだけではなく、あくまでも利益と損失のリスクリワードレシオも一緒に考えてやる必要があるわけですね。

そのバランスが取れたトレード手法の「型」として

 

  • 値幅追求型(損小利大の低勝率)
  • 勝率重視型(損小利小の高勝率)
  • のどちらかのスタイルを追及していくことで、綺麗な右肩上がりの損益曲線が描けるのです。

    どちらを選択しても利益を残すことは可能ですが、それぞれのタイプではトレードの思想や狙うべきチャートの形、損切りポイントから利益の幅まで、あらゆることが異なってきます。

    この2つの型について戦略を考えていきましょう。

    アマギ
    高勝率で多くの値幅を取りたい!というのが正直なところかもしれません。
    でも、それは最低でもトータルで勝てるようになってから求めるべきハイレベルな話です。

    値幅追及型

    まずは値幅追求型のトレードスタイルについて考えていきましょう。

    このタイプのトレードスタイルで目指すべき損益曲線は以下のようになります。

    ビュンと伸びてゆっくり落ちて、またビュンと伸びる、といった感じですね。

    このような損益曲線を描くためには、トレードを損小利大に設計していくことが重要です。つまり、勝率はそれほど高くなくてもよいが、大きく利益を獲得できるような局面でエントリーしていくことが必要となります。

    では、そのような局面とはどういったポイントでしょうか?

    それはもちろんトレンド相場です。

    相場は常にレンジとトレンドを繰り返して推移しています。

    ある一定のレンジ帯を突破したらトレンドが発生し、そのトレンドが崩れるまで相場は同方向に進みます。そして、トレンドが崩れたら再びレンジ状態に入るか、逆方向へのトレンド転換が起きます。

    このように相場はレンジ⇒トレンド⇒レンジを常に繰り返しています。

    レンジ相場では買い手と売り手が拮抗しています。そのため、価格が大きく動くことはありません。

    価格が大きく動くのは、買い手と売り手の攻防に決着が着いた時で、この時に価格はレンジ帯を突破し、一方向へ大きく動いていきます。

    相場がこのようなメカニズムで動いている以上、レンジ相場の中で値幅追求型のトレードを行っても、損小利大は実現できません。

    そのため、値幅追及型のトレードスタイルは、レンジ帯を抜けた後のトレンド発生中に、トレンド方向へのポジションを持つことが必須になります。。いわゆるトレンドフォロー(順張り)です。

    アマギ
    大きく動くところで大きく狙う。
    損小利大の基本です。

    勝率重視型

    勝率を重視して、勝ち負けを繰り返しながらコツコツと利益を増やしていく場合の損益曲線は以下のようになります。

    損小利大の利益追求型と比べると、波の振幅が細かくなりやすいのがこのタイプの特徴です。

    勝率を重視して細かい利益を積んでいくタイプのトレードスタイルを選択した場合、右肩上がりの損益曲線を描きやすい局面というのは、レンジ相場になります。

    細かい利益を積んでいくことを考えたときに、値幅はそれほど重要な要素ではありません。
    なので、相場がレンジ状態でもトレードしていくことは可能です。

    むしろトレンドが発生しているときは、価格が大きく動いている状態ですから、小さな値幅を狙ったトレードを行うのは利にかなっていません。

    また、相場がレンジ状態のときは、価格はレンジ上限と下限を往復しやすいという特徴があります。そのため、必然的に、このタイプのトレードは逆張りで攻めることになります。

    しかし、このタイプのトレードスタイルは1回の大負けが致命傷となってしまう場合がありますから、レンジ状態だからといって、闇雲にエントリーしても勝率は上がりませんん。

    アマギ
    勝率追求型であっても、損切りはしないとダメですよ。

    重要なのは型とエントリー方法の整合性

    値幅追及型は順張り、勝率重視型は逆張り。

    右肩上がりの損益曲線を描こうとした場合、このどちらかでトレードしていくことになります。
    どちらのタイプを選択しても利益を出していくことは可能ですが、重要なことがひとつだけあります。

    それは、相場の局面と自分のエントリー方法に整合性が取れているかです。

    例えば、今の相場状況がレンジと判断した場合、逆張りでエントリーを行い、細かい利食いをするべきです。決して順張りのエントリーを行ったり、大きな値幅を狙いにいったりはするべきではありません。

    同様に、現在の状況がトレンド中と判断した場合、やるべきことは順張りのみで、決して逆張りをすべきではありません。加えて、順張りでエントリーをしたならば、少し利益が出たからといって、薄利で利食いをすべきではありません。


    今現在、FXで勝てていない方はこれが徹底できていない方が多いです。

    レンジと判断して逆張りでポジションを持ったにもかかわらず、利が乗り出したら急にブレイクを期待して結局利益を飛ばしてしまう。

    トレンドフォローのエントリーをしたにもかかわらず、少し利がのっただけで、マイナス決済することを怖がって薄利で利食ってしまう。

    現在はレンジ中なのに、トレンドフォローのエントリーポイントでポジションを持ってしまう。トレンドが発生しているのに、闇雲に逆張りを行い、連敗を重ねる。

    思い当たることも多いと思いますが、これらは全て、相場状況とトレード方法が矛盾していることが原因です。

    レンジ中にトレンドフォローを行っても決して勝てません。
    トレンド中に逆張りを行っても決して勝てません。

    今の自分のエントリーはどういうものなのか。
    これをきちんと把握した上で、適切な方法を選択していきましょう。

    アマギ
    値幅重視で行くか、勝率重視で行くかを決めて、自分の狙うポイントを明確にしていく。これが最初のステップですよ!

     

    FXは期待値が全て

    これまでの話では、FXで勝ち続けていくためには、右肩上がりの損益曲線を描くことが最も重要な要素である、ということを何度も主張してきました。

    右肩上がりの損益曲線を描くには、値幅と勝率のどちらかを追求する必要があることも解説しました。

    アマギ
    期待値がプラスならトレードする、マイナスならトレードしない。
    これだけです。

    期待値とは

    期待値とは、確率現象の結果が数値で表されている場合、1回の試行の結果期待される数値の大きさのことを言います。

    簡単な例を見てみましょう。

    例1

    100本のくじ引きを考えてみます。

    当たり・・・・30本  賞金2000円
    はずれ・・・・70本  賞金なし

    1回くじを引く料金・・・???円

    ※引いたくじは毎回もとに戻す

    このくじを1回引くための料金がいくらだったら、くじを引いたほうが得になると思いますか?

    まずは感覚的に考えると、当たって2,000円なのですから、くじの料金が2,000円だったら絶対に損になりますよね。ということは少なくとも2,000以下ということは分かるはずです。

    では確率的に考えましょう。

    当たりの確率・・・(30/100)⇒30%
    はずれの確率・・・(70/100)⇒70%

    ですから、このくじを1回引く事で期待できる利益は

    ={2000円×(30/100)}+0円×(70/100)}=600

    となります。

    つまり、くじを引く料金が600円未満だったら、期待値がコストを上回るため、くじを引き続けたほうが得になります。

    このような場合を「期待値がプラス」と呼びます。

    一方で1回のくじを引くための料金が600円以上だった場合、コストが期待利益を上回ってしまうため、くじをひくべきではないということになります。このような場合は、「期待値マイナス」ということになります。

    アマギ
    簡単に言えば、儲けられる場合は期待値プラス、損する場合は期待値マイナスとなりますね。

    期待値を考える例

    それでは少し例題を考えてみましょう。

    例2

    100本のくじ引きを考えてみます。

    当たり・・・・30本  賞金2000円
    はずれ・・・・70本  賞金なし

    1回くじを引く料金・・・300円

    ※引いたくじは毎回もとに戻す

    この場合は期待値はプラスですか?マイナスですか?

    アマギ
    当然ながらプラスですよね。損益分岐点は600円ですから。
    例3

    100本のくじ引きを考えてみます。

    当たり・・・・30本  賞金2000円
    はずれ・・・・70本  賞金なし

    1回くじを引く料金・・・800円

    ※引いたくじは毎回もとに戻す

    この場合は期待値はプラスですか?マイナスですか?

    アマギ
    マイナスになりますね。

    期待値の概念をどのように使うか

    期待値がプラス、というのは我々にとって絶対的な正義です。
    ですから、期待値がプラスである限り、その行為は正しいことになります。

    逆に期待値がマイナスであればそれは悪になります。
    期待値がマイナスであれば、関わらないことが一番正しいことになります。

    先ほどの2つのケースで考えてみましょう。

    例2

    100本のくじ引きを考えてみます。

    当たり・・・・30本  賞金2000円
    はずれ・・・・70本  賞金なし

    1回くじを引く料金・・・300円

    ※引いたくじは毎回もとに戻す

    上で考えた通り、このケースの期待値はプラスです。

    当たりの確率は1/3ですから、10回くじを引けば平均3回は当たりが出ることになります。

    しかしながら、10回くじを引いた時点で、運悪く全てはずれを引いてしまったと仮定しましょう。この時点での収支はマイナス3000円です。

    さて、11回目のくじは引くべきでしょうか・・・?
    それとも不運を嘆いてこの辺で止めておくべきでしょうか・・・?

    これは言うまでもなく11回目も引くべきです。

    無論、11回とはいわず、100回でも1000回でも引ける限り引き続けるべきです。

    なぜなら期待値がプラスだからです。
    大量の試行を繰り返せばプラスの収支が見込める確率が圧倒的に高いと完全に理解しているのであれば、くじを引き続けることが正義なのです。

    例3を考えるときも同様です。

    例3

    100本のくじ引きを考えてみます。

    当たり・・・・30本  賞金2000円
    はずれ・・・・70本  賞金なし

    1回くじを引く料金・・・800円

    ※引いたくじは毎回もとに戻す

    このケースの期待値はマイナスですから、このくじは1回たりとも引くべきはありません。

    もし仮に、このくじを引いていた前任者が5回連続で当たりを引いていようが、逆に前任者が50回連続ではずれを引いていようが一切関係ありません。

    期待値がマイナスであれば、やるだけ損ですから、手を出してはいけません。

    期待値に影響を与える要素

    再度、例2、例3をご覧ください。

    例2

    100本のくじ引きを考えてみます。

    当たり・・・・30本  賞金2000円
    はずれ・・・・70本  賞金なし

    1回くじを引く料金・・・300円

    ※引いたくじは毎回もとに戻す

    例3

    100本のくじ引きを考えてみます。

    当たり・・・・30本  賞金2000円
    はずれ・・・・70本  賞金なし

    1回くじを引く料金・・・800円

    ※引いたくじは毎回もとに戻す

    2つのケースのうち、例2は期待値プラス、例3は期待値マイナスでした。

    この2つのケースを構成する要素の中で、異なっているのは、1回くじを引く料金(コスト)だけですから、コストは期待値に影響を与えることがわかります。

    では次のケースはどうでしょうか?

    例4

    100本のくじ引きを考えてみます。

    当たり・・・・50本  賞金2000円
    はずれ・・・・50本  賞金なし

    1回くじを引く料金・・・800円

    ※引いたくじは毎回もとに戻す

    例4は例3と同じく、くじを引く料金(コスト)は800円で同じです。
    当たりの確率が例3よりも高くなっています。

    このときの例4の期待利益は、

    ={2000円×(50/100)}+0円×(50/100)}
    =1000円

    これはコストの800円を上回っていますから、例4は期待値プラスになります。

    ここから、当たり確率(勝率)も期待値に影響を与えることがわかりました。

    最後の例5です。

    100本のくじ引きを考えてみます。

    当たり・・・・50本  賞金1000円
    はずれ・・・・50本  賞金なし

    1回くじを引く料金・・・800円

    ※引いたくじは毎回もとに戻す

    例5は例4と、勝率とコストはそのままに、勝ったときの賞金(リワード)の金額を変更したものです。

    このときのケース④の期待利益は

    ={1000円×(50/100)}+0円×(50/100)}
    =500円

    となり、これはコストの800円を下回ってしまっていますから、例5は期待値マイナスです。

    よって、買ったときに得られる利益(リワード)も期待値に影響を与えることがわかります。

    くじ引きの例を出して長々と説明してきましたが、期待値は、①勝率、②コスト、③リワードの3つの要素に依存するということになります。

    つまり、期待値を見積もるためには、勝率、リスク、リワードのバランスを考えなければいけないということです。

    FXにおける期待値

    さて、さきほどのくじ引きの例をFXに置き換えてみましょう。

    期待値に影響を与える3要素の「勝率」に関しては、FXの場合もそのまま単純に勝率です。

    つまりは、何回かの試行のうち、何回勝って何回負けたかというような至極単純な要素です。

    「コスト」をFXに置き換えると、損切り額(幅)+スプレッドになります。

    スプレッドに関しては、くじ引きを引く料金と同様に考えてもらえれば、毎回必ずかかってしまうコストとして理解しやすいかと思います。

    一方で、損切り額(幅)に関してですが、くじ引きの例では、はずれを引いたときに賞金が0なだけで、料金以上にコストはかかりませんでしたが、FXは差益を狙ってトレードを行いますから負けたときに損切りが発生します。この損切り幅というものもコストに含まれます。

    くじ引きに例えるならば、はずれを引いたときに罰金を支払わされる感覚だと捉えていただければ理解していただけると思います。

    最後に「リワード」は、FXに置き換えると利益確定したときの額(幅)です。
    くじ引きのように毎回固定にすることもできますが、多少、上下幅にあそびをもたせるのが一般的です。

    まとめ

    以上がFXにおける期待値を見積もるための3要素になります。

    まとめると、期待値を見積もるためには

    1. 勝率
    2. 損切り幅
    3. 利益確定幅

    の3つのバランスを考える必要があるということです。

    さらに、前回の講座の概念を踏まえると、

    「勝率、損切り幅、利益確定幅、のバランスが取れた期待値プラスのトレードの試行を重ねれば収支はプラスになりやすい」ということになります。

    今回は概念を理解しやすいように、簡単なくじ引きの例で期待値について考えてみましたが、FXの世界でもこの概念は非常に重要で、勝ち続けるためには理解しておかなければいけない概念でもあります。

    アマギ
    簡単に言えば、期待値がプラスならトレードをする価値がある、ということになりますね。

     

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