バーチャートやローソク足は、元来、1日の値動きを捉えるために考案されました。
そのため、基本的には足1本で1日分の動きとなるのですが、必ずしも足1本=1日分としないといけないわけではありません。
1本を1ヶ月や1週間にしてもいいですし、1時間や5分など自由な時間軸を用いてチャート分析をすれば、もっと大まかに、もしくはもっと細かく相場の分析をすることができるのです。
現在のチャートソフトでは、月足から1分足まで色々と変化させることができますので、トレードスタイルによって使い分けることも出来ます。大きな時間足から小さな時間足にかけて相場を分析して、より精度の高い予測をしていくことも可能なのです。
では、チャートで表示する時間足によって特徴的な傾向は見られるのでしょうか?
考察していきましょう。
時間足によってチャートは違うのか?
実際にチャートを使って色々と時間足を変化させて見ると分かりますが、 「その時間足に特徴的な動き」というものはありません。
つまり
- ○○な動きだから1時間足
- ▲▲見られるから5分足
といったようなことは無いわけです。
例えば、横軸と縦軸を消した下のチャートを見て、どの時間軸の足か?
と聞かれても正確に答えるのは無理なのではないでしょうか。
テクニカルが効きやすいユロドルの日足ならそれっぽいかな・・・と。
時間足によって大まかな傾向はある
チャートをぱっと見て、どの時間軸かを当てるかは難しいですが、時間足の大小によって傾向はあります。
チャートの基本となる、日足で考えてみましょう。
FXの場合、日足は24時間の値動きを1本に凝縮しています。
24時間内で、多くの取引があった結果、ローソク足1本が確定するわけです。
次に15分足で考えてみましょう。
15分足はたったの15分で足が切り替わっていきます。
日足と比較すれば明らかに足1本が確定するまでの時間もその間の取引量も少ないです。
このチャートは15分足で、青く囲った分が1日(24時間)分の動きです。
日足と5分足ではローソク足1本の重みはどちらが強いでしょうか?
答えは言うまでもなく日足です。
より長い時間かけて足1本が確定する日足の方が、市場参加者の総意を反映していると考えるからです。
つまり、時間軸が大きいほどチャートに信頼性が持てるのです。
これはテクニカル分析の精度が上がると言い換えることが出来ます。
逆に、時間軸が小さくなるほど市場参加者の総意を反映しにくくなるため、突拍子もない「変な動き」をする事が多くなります。
よく小さな時間軸では「ダマシが多い」と言いますが、このような理由からです。
デイトレレベルなら、複数の時間足を見てトレードしよう
小さな時間足は大きな時間足よりも信頼性が劣るという話をしましたが、デイトレードをする場合は、日足よりも小さな時間足を使ってトレードするのが普通です。
こういう場合はどうすればいいのかと言うと、複数の時間軸を見てトレードします。
例えば、日足、1時間足、5分足を見てトレードすれば、相場の大きな流れをつかみながら、5分足でピンポイントで仕掛けて行くことが出来ます。
もちろんこれは簡単に出来る技ではありません。
それなりの練習をする必要がありますが、役に立つ技術と言えるでしょう。
複数の時間足を見ようとすると、頭がこんがらがるんだよなぁ。
でも大丈夫。MTFについてはこれから少しずつ解説していくから。