今回は有効なチャートパターンの一つである「アセンディングトライアングル」と「ディセンディングトライアングル」について解説していきます。
チャートパターンは「見た目」が全てなので、人によって「見える・見えない」の差がありますが、アセンディング&ディセンディングトライアングルは比較的見つけやすいパターンだと思います。
どんな通貨ペア、どんな時間足チャートでも見られますので、これを知っておくことでトレードの幅が広がることは間違いありません。
この記事を読むことで、明確に方向が分かった上でブレイクアウトが狙えるようになります。
アセンディングトライアングル
アセンディングトライアングル(ascending triangle)とは、上昇相場でみられる保合いのチャートパターンです。
まずはどんなパターンかを見ていきましょう。
パターンの特徴は以下の通りです。
- 水平なレジスタンスラインで何度も反発している
- サポートラインで何度も反発し、高値を切り上げている
- 最終的にはレジスタンスラインを上にブレイクしたところでエントリー
何度も上を抑えつけられている中で、それでも安値を切り上げてエネルギーを貯めている状態です。上をブレイクしたらすさまじい勢いで上げていきます。
アセンディングトライアングルの実際の例
それではアセンディングトライアングルの実際の例を見ていきましょう。
典型的なアセンディングトライアングルのパターンですね。
上昇の局面の中で強いレジスタンスとなる水平線と高値を切り上げるサポートラインが形成されます。
この中を何度も往復することでアセンディングトライアングルを形成し、上にブレイクした所で大きな買いが入り上昇しました。
こちらも同じくアセンディングトライアングルの成功例です。
しっかりとサポートラインにサポートされて高値を切り上げながらも上は押さえられる状況が長く続きますが結果的には上にブレイク。
アセンディングトライアングルからのブレイクとなりました。
アセンディングトライアングルのブレイク後の大きく動く理由
アセンディングトライアングルを形成してから明確に上にブレイクすると、その後は大きな上昇が見込めます。
その理由は、「保合い」にあります。
アセンディングトライアングル形成中は、レジスタンスラインからの売りが強い一方で、サポートラインでの買い状況で、いわば売りと買いの攻防が激しくなっています。
売り勢は当然下げてほしいと考えてはいますが、安値を切り上げる動きを見て「アセンディングトライアングルが出来ているかも・・・」という状況に気づきます。
ここでレジスタンスをブレイクした場合を考えてください。
売り勢はレジスタンスをブレイクされたわけですから、損切りをします。特にアセンディングトライアングルからの上方ブレイクなら、早く損切りを入れたほうがマシです。
売り注文の損切りは買い注文になりますから、ブレイクしたと分かったらすぐに損切り注文を巻き込んであげるのです。
しかも、アセンディングトライアングルのブレイクを待っていた傍観者も入ってくるので、更に上昇圧力が高まるのです。
アセンディングトライアングルの失敗例
アセンディングトライアングルは比較的見つけやすくて確度もあるパターンですが、失敗パターンもありますのでご紹介します。
これが典型的な失敗パターンです。
アセンディングトライアングルを形成して上にブレイクしたものの全く続かず、すぐにトライアングル内まで戻ってきます。
それからすぐに逆方向である下方にブレイクしていきました。
このような動きは、相場が既に上げすぎている状況で見られます。
アセンディングトライアングル後もまだ上げる余地があるかどうかを上位足を見て把握しておく必要があります。
ディセンディングトライアングル
ディセンディングトライアングルは下降トレンド中に見られる保合いのチャートパターンです。
基本的にはアセンディングトライアングルを上下反対にしたものですが、とりあえずどんなパターンか見ていきましょう。
パターンの特徴は以下の通りです。
- 水平なサポートラインで何度も反発している
- レジスタンスラインで何度も反発し、高値を切り下げている
- 最終的にはサポートラインを下ににブレイクしたところでエントリー
何度も何度も底を小突いて、最終的に底が割れてブレイクするイメージですね。
ディセンディングトライアングルの実際の例
それではディセンディングトライアングルの実際の例を見ていきましょう。
これはとても分かりやすいディセンディングトライアングルの例です。
相場が下げの流れに切り替わってからすぐにディセンディングトライアングルを形成。
高値を切り下げつつ何度も安値にアタックして採取的には安値をブレイクして下げた流れになります。
同じく下げの局面でのディセンディングトライアングルです。
何度も何度も強くサポートされたラインを小突きつつ、高値を切り下げながら売り手が強いことがチャートから読み取れます。
そして、最終的には下にブレイクしました。
ディセンディングトライアングルの失敗例
アセンディングトライアングルと同じく、ディセンディングトライアングルにも失敗例(ダマシ)がありますのでご紹介します。
これがよくあるダマシですね。
下にブレイクしたと思わせておいて、その後は上昇して逆にレジスタンスラインを上にブレイクするパターンです。
この動きはトレンドが進みすぎた後の最終局面で「これ以上下げきれない」といった状態のときによく見られます。所謂ショートカーバーですね。
こういった時は、かなり勢いよく上昇するので、これを逆手にとってディセンディングトライアングルのダマシからの逆ブレイクを狙う戦略としても利用できます。
アセンディング&ディセンディングトライアングルのメリット・デメリット
メリット
- 効果が高い
- 使いやすい
- 頻繁にチャート上に見られる
デメリット
- 裁量判断部分が多い
- しっかりとしたパターンじゃないと効果が薄れる
- 絶対に勝てるわけでもない
まとめ
今回はアセンディングトライアングルとディセンディングトライアングルの2つについて解説しました。
どちらともパターン形成中に見つけやすいのが特徴で、上手く利用できれば高いリスクリワードのトレードが出来るようになります。
もちろん慣れるまでは練習が必要ですが、トレードの幅を広げるためにも、過去のチャートをチェックして見ておくと良いかと思います。
アセトラとディセトラを是非使いこなしてください。