為替に関するニュースを見ると、「ニューヨークオプションカット」、「カットオフタイム」「オプションバリア」といった単語を見ることがあります。
何となく為替オプションに関わるキーワードだということは分かりますが、FX市場にどんな影響を与えているのかご存じでしょうか?
何だか専門性の強いインパクトがって、ややこしそうな印象がありますが、知ってしまえば難しくありません。
それにNYオプションカットが分かれば、相場の動く方向が見えることもあります。今回はNYオプションカットと、その時間帯の値動きについて勉強していきましょう!
NYオプションカットとは?
NYオプションカットとは、通貨オプションの権利行使の締め切り時間のことです。
別名はカットオフタイムと呼ばれており、この時間を過ぎるとオプション権利を使った取引が出来なくなります。
NYオプションカットの時間は以下の通りです。
NY時間で午前10時、日本時間では午前0時(夏時間では午後11時)
オプション保有者は、オプションの権利行使によって損益が確定します。
自分のオプションのポジションが有利になるように為替市場で取引することで、市場が活発化して動きやすくなります。
通貨オプションとは?
通貨オプションとは、あらかじめ決められた期間の中で、通貨を特定の価格で買う権利・売る権利のことです。
この例ではもし、権利行使の締め切りまでにドル円の価格が110円を超えると、そのオプションは価値を持つことになります。ドル円が115円の時に110円で買う権利を持っていたら、爆益となるのでみんなが欲しがります。
その一方、権利行使の締め切りまでドル円が110円以下だった場合は、そのオプションは一切の価値を持ちません。ドル円が105円なのにわざわざ110円で買いたい人なんていないからです。このケースの場合は、オプションを行使しないことになります。
通貨を買う権利はコールオプション、売る権利はプットオプションと呼ばれ、オプション取引は相対取引で行われるのが基本です。
オプションは売買は4つの売り手と買い手に分かれます。
- コールオプションの買い手
- プットオプションの買い手
- コールオプションの売り手
- プットオプションの売り手
基本的にオプションの売り手は大きなリスクを受ける代わりに高い勝率で利益を出すビジネスモデルとなります。
ややこしいですよね。
一般的にオプション取引は大企業や大口の金融機関の「保険」的な位置づけとして取引されます。
NYオプションカット時の値動きの傾向
NYオプションは、他の東京やロンドンオプションと比べても取引量が多いため、オプションカットの時間帯では相場が大きく動きやすくなります。
何故なら、権利を売ったた側や買った側の双方が注文を入れて、それぞれにとって都合のいい価格に動かそうとするからです。
特にオプションが消滅する価格が設定されている場合は、この価格を巡ってオプションの売り手と買い手の熾烈な戦いが起きることも珍しくありません。この価格をオプションバリアと呼びます。
NYオプションカットの値動きの傾向としては、NYオプション注文が集まっている価格に近づいていくということは知っておいて損はありません。
オプション注文が集まっている価格が分かるサイト
NYオプションカットやオプションカット時の値動きの傾向が分かったと思いますので、最後にオプション注文が集まっている価格を教えてくれるサイトをご紹介します。
投資の森
オプション価格だけでなく、市場の値幅予想やファンダメンタルズ解説もあります。
Traders web FX
オプション価格の他に、注目されている価格が一覧で表示されているので、客観的なサポレジとして利用できます。
無料で見られるのはドル円とユーロドルだけなのが残念なところです。
forex live
海外のサイトになりますが、通貨ペア一覧でオプション注文の集まる価格が分かります。どれだけのお金が動いているのか分かって便利です。
個人的にイチオシです。
オプションカットやオプションバリアを意識すれば相場が分かりやすくなる
今回はオプションカットやオプションバリアについて解説しました。
これらを知っておくと、相場が動きやすい価格帯、そして時間帯がより鮮明に分かりやすくなります。
オプションカットの使い方としては、エントリーよりも利食いに使う方が適しています。もちろん逆張りエントリーのポイントとして参考になりますが、他の指標や手法でも同じエントリーサインが出ている時に限って利用することをお勧めします。
トレード前に必ずチェックしておきましょう。