- トレーリングストップをしたいんだけど、どこで利食いしたらいいか分からない
- 前もって置いておいた損切りにすぐにヒットしてしてしまう
- 適切な利食い・損切りポイントが知りたい
と思うことはありませんか?
トレーリングストップの場合、例えば最大含み益から10pips逆行したら利食うというやり方もありますが、これだとボラティリティや使う時間足次第で条件が変わってきますよね。
損切りについても同じで、エントリーから20pips逆行したら損切りするルールも、通貨ペア・時間足次第では合わないことがあります。
こんな悩みを打破するために、今回はATRトレーリングストップについて解説します。
ATRとは?
ATRとは、Average True Rangeの略称で、相場のボラティリティを示す指標としてウェルズ・ワイルダー氏によって考案されました。
ボラティリティを示すと言えばボリンジャーバンドが有名ですが、ATRもボラティリティの推移を見る客観的な指標として有能です。
そんなATRは超有名なインジケーターなので、MT4にも最初から入っています。
上下に動くオシレーターです。
この振幅は何を意味するのかと言うと、「ローソク足1本の平均値幅」です。
単位は、クロス円なら円、ドルストレートならドルです。
ATRはその時々のローソク足1本の平均的な値幅を示すので、オシレーター自体は相場のボラティリティの上下を示すことになります。
例えば上昇中であればトレンドに勢いが付いていると解釈できますし、逆に下落中なら保合いに入っていると解釈できます。
ATRの計算式について
ATRの計算式は以下の通りです。
- 当日の高値-前日の終値
- 前日の終値-当日の安値
- 当日の高値-当日の安値
この3つの中で最も値の大きいものをTR(True Range)として、過去14本分のTRの指数平滑移動平均値を求める。
①~③の中で最も大きいものをTRとする・・・となっていますが、FX市場の場合は基本的に窓が開かないのでほとんどの場合で③が一番大きな数字になります。①と②は窓が開いたときに使われるだけです。
TRの平均期間は14がデフォルトです。
つまり、デフォルトで表示するATRは過去14本のローソク足の値幅の平均値を示していることになります。
ATRをトレーリングストップに使う
ATRがローソク足1本の平均の値幅を示すことが分かりました。
ではその情報をどう活かすか?ですよね。
結論から言えばATRはトレーリングストップや損切りをする際に最高に役立ちます。
ATRはその時々のボラティリティの推移を示すわけですから、今の2倍のATR分だけ逆行したら利食いしようとすれば、その時のボラティリティに合った適切な値幅で利食いができるんですね。
損切りについても同じで、エントリー時のATRを参考にしてどれだけ逆行したら損切りにするかを決めることで、ボラティリティに合った合理的なストップロスポイントを求められます。
しかし、毎回ATRを見て計算して・・・とやると面倒ですよね。
そこでATR STOPSという便利なインジケーターをご紹介します。
ATRトレーリングストップに使えるATR STOP
ATR STOPとは、名前の通りATRを利用してトレーリングストップや損切り値を表示するインジケーターです。
ローソク足の下にラインがあれば上昇トレンド中、ローソク足の上にラインがあれば下降トレンド中で、ラインのレート自体がトレーリングストップや損切りの参考値となります。
例えば、下のチャートの上矢印でロングエントリーした場合は、その後ラインにレートがタッチした✔で利食うことになります。
今回ご紹介しているインジケーターは「nrtr_atr_stop_mtf_1.01 nmc」です。
ダウンロードは以下のリンクからどうぞ。
パラメーターについて
パラメーターは3項目あります。
TimeFrame
ATRSTOPを表示する時間足を指定します。
例えば、5分足チャートに30分足のATRSTOPを表示することもできます。
上位足を表示したい場合は、TimeFrameの個所に、表示したい時間足を分で入力します。
例えば、30分足なら30、4時間足なら240と入力します。
ATR
ATRの期間です。
ほとんどのケースで14が使われますが、好みに応じて変更してください。
Coeficient
ATRの何倍離れたところにATRストップを表示するかを決めます。
値を大きくするほどATRストップがローソク足から離れるため、深めの損切りやトレーリングストップになります。
ATRトレーリングストップを使って合理的な利食いをしよう!
今回の記事ではATRトレーリングストップと、それを実践しやすくするインジケーター「ATRSOPS」をご紹介しました。
ATRは歴史のあるインジケーターなので、信頼性は高いですし、実績もあります。例えばシステムトレードでは、ATRの〇倍を損切りに置くと言ったルールがよく使われています。
機械的に○○pips逆行したらトレーリングストップとやるよりは、より合理的です。ボラティリティを判断材料に入れたストップを使いたい方は是非お試しください。