統計から読み解くFXトレーダーの退場の現状と退場しないためのポイント
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FXにおける「退場」とは、口座資金を無くしてトレードできなくなる状態のことです。

ネット上には華々しく勝ち続ける人も多くいる中でも、実は多くのトレーダーが損失を出して退場しています。

FXを始めた時は、希望と期待に満ち溢れていたのにも関わらず、逆にお金を無くして退場はとても辛いものがあります。

しかし、FXで退場する人には共通の理由があります。
正しい知識を身につけて取引すれば、退場する可能性を大きく下げることが可能です。

今回は、FXで負けている人の割合や退場した人の体験談、そして退場する人に共通することについてまとめ、退場しない方法について考えていきたいと思います。

アマギ
あなたのトレードへの考え方が変わります。

FXで負けている人の割合は?

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FXではどれくらいの人が負けているのでしょうか?

一般的には8割~9割が負けていると言われています。
この点について、金融先物取引業協会が「預託金増減口座数割合情報」という統計を公表しています。

これは、各四半期において国内FX業者の顧客の口座が、残高が増加したか減少したかの割合をまとめたものです。

年度 減少口座割合 増加口座割合
2021 1 51.36 48.64
53.38 46.62
3 57.15 42.85
4 54.49 45.51
2022 1 53.88 46.12
2 58.68 41.332
3 69.71 30.29
4 51.23 48.77
2023 1 53.24 46.76
金融先物取引業協会には、金融庁に登録している国内のFX業者の殆どが参加しています。
データは以下のページの「預託金増減口座数割合情報」を利用しています。

四半期統計データ(Quarterly data)

 

これを見ると、確かに各四半期で口座資金が減少した方の割合が高いです。
特に2022年度の第3四半期は減少口座割合が7割程度になっています。

2022年第3四半期(10月~12月)は長らく続いた円安が一気にドル高に傾いた時で、ドル円が151円台から127円台まで下落しています。
強気でロングしていた人たちが損切りにあったのでしょう。
(国内FXでは、ドル円の取引高が圧倒的です。詳しくはコチラをご覧ください。)

全体を通してみると大体が減少口座割合は6割以内に収まっています。
つまりは、FXトレーダーの半分以上は損失を出して口座資金が減っているという事実があります。

9割以上のトレーダーが負けているとは言われていますが、4半期単位で見ればそれほど悲惨な状況ではないようです。

しかし、減少口座割合の方が常に増加口座割合よりも高いのは現実ですから、FXで勝つのは簡単ではないことは間違いありませんね。

また、減少口座、増加口座のどちらにしても「どれくらい増減したか?」の情報はありません。

恐らく減少口座の減少額の方が、増加口座の増加額よりも多いと考えられます。また、負ける人は負け続ける傾向にあるので、退場率はそれなりに高いんじゃないかなと予測します。

FXで退場するトレーダーに共通すること

当サイトでは、2ちゃんねるや5ちゃんねるに投稿された「FXで退場したトレーダーの悲痛なコピペ」をまとめています。

この記事、実はアクセス数が安定して高いんですが、やはり他人の不幸なエピソードは人気があるようです。

こういったコピペから、FXで退場してしまう人には共通の理由があることが見えてきます。

  1. 資金管理が出来ていない
  2. 損切りをしていない
  3. ハイレバレッジで短期間で資金を一気に増やそうとする
  4. 過剰な取引を行うポジポジ病
  5. 特にルールもなく、その時の感情に任せて取引をする
  6. 損大利小の取引を繰り返す
  7. 勝ちが続くと調子に乗って大勝負を仕掛ける
  8. 負けるとナンピンやマーチンで何とかしようとする

上の8つのうち、1つでも当てはまっていると、今後退場する可能性が高いです。
2つ以上当てはまっているのなら、とりあえずトレードはストップしましょう。

資金管理が出来ていない

私の持論ですが、FXで大損する一番の原因は資金管理です。

口座資金に見合ったリスクを取ってトレードしないで、過剰なリスクでトレードする人ほど破綻します。

これはケリーの公式でも証明されていて、一定以上のリスクを取ると、それから得られるリターンは下がっていきます。

資金管理さえしっかりしていたら、たとえ負ける手法でトレードしていても、資金が減るスピードはゆっくりになって退場する可能性が減らせます。

とりあえず資金管理だけは絶対のルールを作りましょう。

アマギ
まだ勝てていない人は口座資金の0.5%くらいのリスクでトレードするのがおススメです。

損切りをしていない(できない)

損切りができずにFXで退場してしまうのは、「あるある」です。

特に初心者、損切りをして「負け」を確定させるのが精神的に難しく、ポジションがプラスになるまで祈って待とうとすることが損切りできない原因になることが多いです。

これで特に厄介なのが、祈っていたら本当に助かるケースです。

運よく何度か助かってしまうと「損切りしなくていいんだ!」と思うようになり、最終的には本当に戻ってこなくて退場になることになります。

「今回だけ助けて!!!!」と思ってやっていても、常に「今回だけ!」は通じないんですね。

ハイレバレッジで短期間で資金を一気に増やそうとする

レバレッジが使えるのはFX取引の魅力であり、特徴です。

国内業者だと25倍ですが、海外の業者を使えば1000倍以上のレバレッジで大きなロットでトレードができます。

ハイレバでトレードして勝つと、1回のトレードでも口座資金を数割~数倍に資金を増やすことができます。
しかし逆に動けば一瞬で資金が吹っ飛びます。

ネット上ではハイレバで口座資金を何倍も増やし続けている人もいますが、それができるのはあくまでも上級者です。

まだ勝てていない人が真似しようとすると痛い目を見えるのでやめておきましょう。

過剰な取引を行うポジポジ病

FXで早期退場する人の多くがポジポジ病という病に罹患しています。

しっかりとした根拠のない所でもエントリーしまくって、常に何らかのポジションを持っていないと不安を感じてしまうレベルの人です。

ポジポジ病は「損失を取り戻したい」「これから起きるであろう大きな動きに取り残されたくない」といった思いから発症します。

気持ちは分かりますが、ポジションを取ることは負けるリスクも受け入れることです。
この覚悟が出来ていないところでエントリーしても、長期的には負けますし、いずれ退場することになります。

特にルールもなく、その時の感情に任せて取引をする

「感覚」や「感情」に任せてトレードすると、負けます。

そもそもナチュラルな人間は相場では負けるようになっています。
これは「プロスペクト理論」として知られており、人間は相場で損失を出すようにプログラミングされているのです。

ルールを決めずに感情に任せたトレードは、ランダムな結果にはなりません。
負けることが確定した自動売買プログラムのように、見事に資金を失います。

アマギ
なんの知識や技術もない普通の人は、負ける自動売買プログラムなんですよ。

FXで長期的に利益を出していくためには、優位性のあるルールで一貫性のある取引を行うことが大切です。

ルールを決めずに毎回場当たり的な取引をしていると、継続的に利益を出すのが難しくなります。

特に上手く行かなかった時のルールは大事です。
しっかりとした損切りルールや、事前に決めたルールが無いと、妙な期待感が生まれて正常な判断ができなくなります。

損大利小の取引を繰り返す

含み損が出たら頑張って耐えて、含み益になったらすぐに利食う。

こういったトレードを続けていると、勝ちと負けの比率(リスクリワード)が著しく下がって口座資金が減っていきます。

もちろん損大利小が絶対的な悪ではありません。
勝率とリスクリワードを考えて、トータルでプラスに持って行ける一貫したルールがあるのなら大丈夫です。

しかし、退場する人の多くが根拠もなく早い段階で利食いしてしまいます。
これが問題になりますね。

勝ち始めると調子に乗る

トレードで上手く行っている時ほど注意が必要です。

特に経験が浅い人が、単に運よく勝ちが続くと「あれ?俺って天才なんじゃね?」と勘違いすることになります。

これで退場への道が開かれます。

調子に乗ってハイレバでエントリーしたり、根拠のない所でエントリーしたり・・・こういったことを続けると、必ず退場になります。

相場において自信過剰ほど怖いものはありません。

アマギ
私は相場は常に予測不能で何が起きるか分からないものと考えてトレードしています。

FXで退場を回避するために

ここまで、FXで退場する理由についてまとめました。

我々トレーダーは絶対に退場はしてはいけません。
そのためにどうするかについてまとめます。

  1. 余剰資金のみで取引を行う
  2. 細かく定めたトレード手法に従ってトレードをする
  3. 資金管理を徹底して、1回のトレードリスクを1%未満にする
  4. 定期的に検証や振り返りを行う

1つずつ順番に見ていきましょう。

余剰資金のみで取引を行う

余剰資金とは、もし無くなってしまったとしても生活に支障をきたさないお金のことです。

もし余剰資金を超えて生活資金までに手を出してトレードをすると、今後の生活にも影響が出ます。

また、それが大きなストレスと焦りになって、正しい判断が出来なくなります。

大損コピペ等でよく今後の生活資金だったり、家族の銀行口座にまで手を出してトレードして退場するケースがよく見られますが、これは当然と言えば当然なんです。

細かく定めたトレード手法に従ってトレードをする

トレード手法とは、何もエントリーポイントに関するものではなく、トレード全体におけるルールの集合体です。

具体的には、以下のようなルールが必要になります。

  • トレードする時間帯
  • エントリールール
  • 利食いルール
  • 損切りルール
  • 資金管理のルール
  • 1日の最大許容損失額
  • ルールを守れなかった時にどうするか
  • etc

相場で利益を出し続けるためには、あらゆることを想定して取引を続ける必要があります。

トレードを経験を積むことで「こんなことあるんだ・・・」と思うこともありますので、ルールは定期的に見直しましょう。

検証や振り返りを行う

FXで継続的に利益を出し続けるためには、検証や振り返りが大切です。
成功の要因や失敗の原因を検証・振り返りを行うことが勝率アップに繋がります。

FXには必ず勝てるような必勝法はありません。
ただ、得意なパターンや勝ちやすいパターンは必ずあります。

取引ごとに検証を行う癖をつけて、自分が勝ちやすいパターンを見つけていきましょう。

 

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