「月曜日はトレードしない」というルールを取り入れているトレーダーがいるのをご存じでしょうか?
「え?月曜日トレードしなかったら、チャンスが減るじゃん!」と思うかもしれませんが、実はそれにはれっきとした理由と事実があります。
今回は月曜日のトレードは気を付けるべき理由について詳しく解説していきます。
中途半端な状態だと解釈したら、無理せずトレードは避けます。
月曜相場は取引量が一番少ない日
まずは月曜日の相場の客観的な事実として「1週間の中で取引量が一番少ない」ということが挙げられます。
取引量が少ないと言うことは、それだけ動き自体も小さくなりがちで、大きなトレンドや値動きが期待できなくなります。
つまり、方向感の無い相場になりやすいことになります。
月曜相場の取引量が少ない理由
月曜相場の取引量が少ない理由は以下の3つです。
- 重要な経済指標発表がない
- 祝日等で休みになっていることもある
- 変な動きを警戒している人が多い
1週間の中でも、月曜日は重要な経済指標発表がありません。
基本的には火曜日~金曜日にかけて指標は多くなりますが、月曜日だけは本当に指標が少ないです。
また、場合によっては欧米の国が祝日で休場となっていることもあります。
特にアメリカやイギリスが休場になっていたら、その日はもうトレードは諦めたほうが良いと断言できるほど相場の動きは乏しくなります。
上記のような理由もあってか、多くのトレーダーは月曜日は警戒しています。
初心者トレーダーは「月曜日からガンガン稼ぐぞ!」と息を巻く一方で、熟練トレーダーは要注意しながらチャートを見ているわけです。
この結果、相場の動きはさらに悪くなります。
ただし、土日に大きな経済イベントが発生してトレンドが発生した場合、月曜日から積極的に取引をするトレーダーが増えて取引量が多くなることもあります。
月曜相場の方向性がわかりにくい理由
月曜日の相場は値動きの方向性がわかりにくいという特徴があります。
極端なレンジな時もあれば、それなりにトレンドが出たり・・・とあまり一貫性がありません。
その理由は、土日に市場が休みのため、週末の経済イベントがレートに反映されるまでにある程度時間がかかるからです。
月曜日に市場が開いたとしても、すぐにレートに反映されてトレンドが形成されるわけではありません。相場の方向性がはっきり出てくるのは、経済指標のある火曜日以降になることが多いです。
当然ですが、月曜日でも30分足以下で見ればトレンドが発生することも良くあります。
しかし、トレンドが出た!と思ってエントリーしてもすぐにトレンド終了・・・なんてことが多いのが月曜相場です。
月曜日の値動きをチャートで確認
ではでは実際に月曜日の値動きが本当に今ひとつなのかをチャートで確認していきましょう。
下のチャートはMT4のインジケーターを使って1時間足に曜日を表示したものです。
赤いラインで囲われたところが月曜日の値動きです。
他の曜日と比べても値幅が小さい傾向にありますよね。
大きく伸びた!と思ってもなかなか続かない。
過去のチャートを見渡しても、この傾向が強いです。
月曜相場については、自分自身で検証してみるとよくわかると思います。
Day of Week wDailyStyles_v1.1
月曜日に無理にFXトレードをしないほうが良い
「月曜日は取引量が少なく相場の動きが悪い」というのが月曜日のトレードを避けたほうが良い理由です。
もちろん「絶対に月曜はトレードするな!」なんて言いませんが、「動きが悪い」ということを前提にトレードすべきですし、チャートが悪ければエントリーしないことをお勧めします。
特に大きな窓が開いた場合は要注意。
大きな窓が開くと言うことは、それだけ土日に何かがあったという事。
月曜日の最初の段階で既に相場が「動いている」わけですから、その後の動きはさらに乏しくなることも多々あります。
もちろん窓が開いた時専用に仕掛ける「窓埋めトレード」という手法もあります。
しかし、窓が埋まったら必ず埋まるわけでもなく、埋まるとしても窓自体が市場開始から非常に早い段階で埋まってしまうので、実はなかなか窓埋めトレードは難しかったりします。
月曜日以外で取引を避けた方が良い曜日と時間帯について
月曜日以外でも取引を避けた方がいい曜日・時間帯があります。
下記の順番で解説します。
- 金曜日の深夜
- ニューヨーク時間終盤~シドニー時間(日本時間早朝)
- 年末年始・クリスマス、8月
- 月末
と思うかもしれませんが、負けやすい時間帯があるのなら、それは避けるべきです。
金曜日の深夜
金曜日の深夜のトレードは避けたほうが良いでしょう。
金曜日自体は大きく動くことがありますが、ニューヨーク時間後半(日本時間深夜)以降は徐々に取引高が少なくなり、値動きが小さくなります。
なぜならスキャルパーやデイトレーダーの多くが週を跨ぐポジションを持ちたくないため、トレードを避けるからです。
その結果、ポジションを調整する取引ばかりが続いて方向性のない相場となるのです。
他にも金曜日は大口がポジションを調整することもあるため、想定外に大きな動きが発生することもあります。この値動きはテクニカルを無視したものになることもありますので要注意です。
ニューヨーク時間終盤~シドニー時間(日本時間早朝)
曜日に関係なく早朝(6時から7時頃)は取引を控えた方が良い時間帯です。
早朝は他の時間帯に比べてスプレッドが広がりやすい上に、値動きが非常に悪いです。
「スプレッドが広い+値幅が取れない」となれば、割に合うトレードをするのは難しいです。
ちなみに、早朝にスプレッドが広がりやすい理由は以下の2点です。
- 市場参加者が少ないため取引が活発ではない
- カバー先の金融機関が少ない
早朝は東京市場・ニューヨーク市場・ロンドン市場の3大市場が動いていない時間帯です。
主要の市場がクローズしているため市場参加者が少なく、流動性が低くなることでスプレッドも拡大します。
また、早朝はカバー先の金融機関が少ないこともスプレッドが広がりやすくなります。
8月、12月(クリスマス)、年末年始
8月、クリスマス、年末年始も無理にトレードをする時期ではありません。
この時期はバケーションシーズンで、機関投資家から個人トレーダーまで、多くのトレーダーが休暇に入り、取引量が激減します。
これまでに解説したように、取引量が減ればそれだけ相場の動きが悪くなります。
単に動きが悪くなるだけでなく、流動性が下がるため、瞬間的に大きな注文が入ると、相場が瞬間的に大きく動くこともあります。
過去に起きた例としては2019年1月3日のフラッシュクラッシュ。
これはドル円1分足チャートですが、ほんの数分の間に4円以上下落しています。
この結果、年末にロングポジションを持ちこしたトレーダーの多くが大損失を被ってしまいました。
月末
月末は機関投資家のポジション整理やロンドンフィックスの影響で相場が妙な動きをすることが多いです。
ロンドンフィックスとは日本で言うところの「仲値」に相当し、ここで提示されるレートが市場に大きな影響を与えます。
ロンドンフィックスについては以下をご覧ください。
特にユーロやポンド絡みの通貨ペアは大きな影響を受けますので注意してください。
トレードすべき時間帯
では最後のまとめとして、トレードできる期間・時間帯について解説していきます。
理想としては以下の期間・時間帯になります。
- 1月(雇用統計後)~7月、9月~12月(雇用統計まで)
- 月末以外
- 火曜日~木曜日
- 9時~12時、15時~19時、21時~25時
かなり限られてしまいましたね。
外国為替市場は、基本的に土日以外は開いていて、いつでもトレードできるのが大きな魅力です。
しかし、特定の期間・時間帯は値動きが乏しく、取引に向かないことがあるのも事実です。
こういった期間・時間帯は予め分かっていますから、しっかりと避けて取引することで、ちゃぶついた相場やハイリスクな相場での損失を防ぐことができます。
もちろん上記の期間・時間帯であればいつも良い動きが期待できるわけではありません。当然日によって違いはあります。今回の内容はあくまでも「傾向」としてご理解ください。
それから、相場が動いていない時は、他の通貨ペアに切り替えるのも一つの手です。
為替相場は通貨がお互いに影響を及ぼす関係にありますが、時にはクロス円は全然動かないけど、ドルストレートはガンガン動いている・・・・なんてことは良くあります。
例えばドル円とユードルのトレンドが逆向きな時はユーロ円の動きは乏しくなりがちです。
まとめ
今回は月曜日にFXトレードを避けるべき理由について詳しく解説しました。
主な理由としては、月曜日が週の中で取引量が最も少ない日であること、そのため相場の動きが小さく方向性が定まりにくいことが挙げられます。
また、重要な経済指標の発表がないことや、欧米の祝日で市場が休むことがあるため、予測しにくい動きをすることが多いです。
月曜日から気合を入れて「勝ちたい!」という気持ちは少し抑えて、最高のチャンスがあればエントリーする・・・・くらいの気持ちで週明けはやっていきましょう!