FXで夢がかなう!
「目標はでっかく→破産寸前→欲しいものを手に入れる!」――新米トレーダー・ベインズ物語
エンターテインメント性を備えたトレード文学の金字塔!
自制心の鬼となれ!
「NYボックス」や「アリゾナルール」など、ユニークな手法を書籍で公開していることで有名なロブ・ブッカー氏の書籍です。
本書は、トレード手法について解説したものではなく、初心者トレーダーが勝ち組になるまでのステップを物語形式で描いた小説になります。
FX関連の小説は少ないですし、FXについての基礎知識や厳しさなども学べるなかなか面白い試みの書籍と言えるでしょう。
「FXトレーダーの大冒険」について
「FXトレーダーの大冒険」はFXを始めたばかりの主人公を描いた物語です。
FXに関する投資書籍と言えば、テクニカル分析や手法、やファンダメンタルズ等を解説した本を思い浮かべますが、「FXトレーダーの大冒険」は、主人公ハリー・ベインズの成長記録を描いた物語です。
トレードを簡単に稼げると信じる初心者が、「大損」と言う名前の洗礼を受けながらも師匠からトレードを学び、成長して成功するまぁよくあるストーリです。
「勝てる手法」を求めるトレーダーにとっては、興味が薄い書籍になるかもしれませんが、勝つためのメンタル、トレードの学び方、成長の仕方などを物語を通して知ることができます。
自制心の鬼となれ!
「自制心の鬼となれ」とは、本書の背表紙に記載してあるコピーです。
「まえがき」にはこんなことが書かれています。
トレードは自立をもたらしてくれる。私は為替トレードで自立を果たした。そして読者のみなさんも同じようにトレードで自立ができればよいと願っている。これは簡単なことではない。時間と自制心が必要だ。
自制心・・・これが全てかもしれません。
資金の少ないうちから大きく稼ごうとして大きなロットでトレードすることは、典型的な時間を無視したやり方のひとつです。FXも、他の事業も、お金を稼ぐにはある程度の時間が必要です。
最初は少しずつはじめて成功と失敗を繰り返す中でコツを掴み、徐々に上手くなる中でロットを徐々に大きくすることで、得られる利益も増えるわけですね。
また、一定のルールに則ったシステムを使うときは気分が乗らないからと言ってトレードをしないわけにはいきません。相場はトレーダーの気持ちを汲んだ動きをするわけではないのです。
無理してトレードをしないことが大切という考えもあると思いますが、お金を稼ぐ以上、甘い考えは許されないものだと思います。
「FXトレーダーの大冒険」に共感できる人は多いはず
本書は初心者向けの書籍です。
まだトレードをやったことがない人、トレードに興味がある人、大損を出したことがある人、出したことがない人・・・。色々なトレーダーが共感できる内容になっていると思います。
特に序盤の主人公がトレードを舐めている描写、大損を出して落ち込む描写などは秀逸で、自分の過去のことを思い出させてくれます。
ですので、トレード中級者にとっても、「あぁ懐かしいなぁ。」と感じられるものはあると思います。
ただし、中盤から後半にかけて主人公が一気に成長して成功するのは、個人的には微妙だなと感じました。紙面の都合か初心者向けだからか分かりませんが、「そんなわけねーだろ!」と思うくらいの勢いで成長するんです、この主人公。
実際の所トレードってコツを掴んだら一気に勝ち組になって莫大な資金を稼げるようになるわけでは無いですからね・・・。
事実ではなく、あくまでも一つの物語として読むのがベストかなと思います。
トレードは何度でも挫折がやってきます。
主人公補正がキツすぎなので要注意。
まとめ
読み物としても楽しめる『FXトレーダーの大冒険』、いかがでしたでしょうか。
FXは人それぞれスタイルがあるので、どれが良いと一概に言えるものではありません。物語を通して自分のスタイルを見つめ直すのというのも良いと思います。
価格は高いですので、中古で購入することをお勧めします。
アマゾンレビューのレビュー
初心者あるある
だが、大損する可能性は減らせる。
FXを始めようとする人や、まだ大損を出したことがない人にオススメ。
まぁ後半のトントンストーリーはあくまでもお話ということで。
衝撃の結末
最後の方投げ槍すぎない?
序盤はトレードの厳しさや難しさを説く局面が多かったですが、後半はトントン拍子で勝ち組になっていく姿は、無理やりにでもハッピーエンドに持っていった感はありますね。できればトレード中級者がぶつかる壁についても書いて欲しかったとは思いますね。
実践的ではない
FXを知らない人や、トレードは当てものだと思う人には得られることはあると思うが、価格は高い。
1500円とかだったら、もっと評価も高かっただろうし、初心者にも読んでもらえる書籍になったかもしれないですね。