FX市場は2年に1回くらいのスパンで「○○ショック」と言われる大きな動きを見せることがあります。
一番代表的なものが「リーマンショック」ですが、このような大きな動きを見せると阿鼻叫喚の騒ぎとなり、想定外の大きな損失を出した人が多く現れます。
そこで今回は、過去にさかのぼって阿鼻叫喚の相場をご紹介します。
FX市場は比較的穏やかだと言われていますが、それを信じ込んでしまうと本当に危険であることが嫌というほどわかるはずです。
特にFX初心者の方は本当に注意してくださいね。
運よく大損失は被ってはいませんが、実際に見ると鳥肌が立つくらい怖い動きをします。相場を舐めたらだめですよ。
2020年3月コロナショック
一番記憶に新しいのがコロナショックです。
2020年3月に入って新型コロナウイルスが世界中に広がり、その感染力の高さから市場がリスクオフムードに転換。
ダウ平均や日経平均の下落に伴ってドル円も107円台から下落を始めました。
そして一番大きな動きとなったのが3月9日月曜日の東京時間。
たった数時間でドル円が4円以上も下落。それまでのドル円相場では考えられないくらいのボラティリティを伴って下落しました。
下落時は悲観ムードに包まれましたが、多くのトレーダーの予想に反して以降はV字反転。よくわからない動きでした。
2019年1月3日のフラッシュクラッシュ
2019年が始まったばかりの1月3日の早朝、ドル円が瞬間的に大暴落しました。
年始早々ということで、市場の流動性が下がっているときに大きな注文が入ったため、ドル円が瞬間的に4円以上も下落。
レートが急落したことでFX業者は各社スプレッドを大きく広げたため、実質的なレートはこれ以上に動きました。
その結果、年越しのポジションを持っていた人、特にトラリピを利用していた人は予想外の損失を出した人も多くいました。
この件については以下のブログで詳しく解説してあります。
2018年トルコショック
定期的に話題になるトルコリラですが、一番目立った動きをしたのが2018年8月。
当時から高金利通貨でスワップを多くもらえることで人気が高かったのですが、エルドアン大統領に対する政治不信から急落。
20円を割ることは無い!
と言われていたはずなのに、数分で200pips下落して軽く20円を割っていきました。
おかげでトルコリラのスワップ益を狙っていたトレーダーたちは為替損失によって大ダメージを食らってしまいました・・・。
2016年6月24日のブレグジットショック
イギリスのEU離脱が国民投票で決まった日ですね。
イギリスは中東からの難民を受け入れ続けるEUに対して嫌気がさして、EUを離脱するかどうかの国民投票を行いました。
事前の報道では「離脱はなんてあり得ない」という意見がほとんどでしたが、結果は離脱することが決まり、ポンドが大暴落しました。
この時のポンド円は約27円ほど下落。
「EUを離脱するわけがない!」と考えてロングポジションを持っていた人たちはお星さまになってしまいました。
2015年1月15日のスイスフランショック
スイス国立銀行は、それまで1ユーロ=1.20スイスフランを最低為替レートとして介入をしていましたが、2015年1月15日にそれを突然撤廃しました。
撤廃が報道された瞬間、スイスフランの買いが一気に高まり相場が爆発的に動きました。
瞬間的な値動きのスピードで言えば過去最大だったと言われています。
この時のスイスフラン円は瞬間的に1000pips以上、結果としては2500pips以上も動きました。
この動きを受けてFX業者の多くがレート配信を停止。
悪徳な業者の中には、動いた後のレートで強制決済をさせたため、追証を迫られたトレーダーも沢山いました。
それを無視してスイスフランでガンガントレードしていた人たちが犠牲になってしまった形です。
2014年~2015年ギリシャショック
2014年から2015年にかけて起きたユーロの下落です。
2010年ごろからギリシャの財政状況が非常に悪いことが明るみになりました。
その理由はギリシャの政権交代で、前の政党がギリシャの財政赤字を隠していたのです!
それからギリシャを立て直そうとしますが、ギリシャの国民からの反発が高まってなかなか思うように進まない。
わがままなギリシャはEUやIMFとも対立した結果、ギリシャのEU離脱やユーロの存続危機が報道されて約10カ月間で3500pips以上も下落しました。
2011年9月6日のスイスフラン介入
2011年9月6日に、スイスフラン高に悩むスイス国立銀行が「1ユーロ=1.20スイスフランを最低為替レートにする」と宣言して無制限のユーロ買い・スイスフラン売りの介入を始めました。
この時に瞬間的に大きな買いが入り、ユーロ・スイスが大きく動きました。
スイスフラン円では、瞬間的にに1000pips以上も下落しました。
スイスフラン介入後はユーロ・スイスが1.20を下回ると介入が入ることもあって、1.20を割ったところでロングを入れる戦略が必勝法となっていました。
しかし、これがスイス国立銀行を苦しめることになり、結果的に2015年のスイスフランショックに繋がることになりました。
2008年9月14日のリーマンショック
言わずと知れた100年に1回の大暴落です。
アメリカの大手投資銀行だったリーマン・ブラザーズの破綻によって世界中の株式が暴落し、為替では異様な円高相場となりました。
発生したのは2008年9月14日。
リーマンショック後は長期的な円高トレンドが続き、ドル円は最大で3000pips以上下落して75円台に、ポンド円は197円台から116円台へ8000pips以上も下落しました。
リーマンショックが他のショック相場と違うのは、発生から数年にわたってFX市場のボラティリティを異様に大きくした点です。
2008年終盤から2010年ごろまでの市場のボラティリティは今では考えられないほどに大きく、日によっては何百pipsも動きが普通によくありました。
ショック相場の前にテクニカルなど無意味
定期的に訪れるショック相場は、テクニカル分析では予測できません。
また、ショックの最中の動きもテクニカルは役立ちません。
「後になって○○で止まっていた!」と解説する記事もありますが、荒れ狂う相場の中でそれを狙える人がどれだけいることか・・・。
スプレッドも異様に開き、大手の市場参加者も狼狽しているような相場は一攫千金のチャンスでもありますが、それ以上にお金を失う確率も高いです。
川の氾濫と同じく、市場も手に負えない時が来ることを知っておきましょう!