テクニカル分析って結構根拠立てて考えますよね。
ダウ理論やマルチタイムフレームなど、色々なことを考えてチャートを分析して、エントリーポイントを決めて、狙いを定めてトレードしている人は多いかと思います。
これだけ色々と考えてトレードしていると、どうしても「自分の考えは正しい」と思ってしまいがちです。
でもそこにトレードの落とし穴があると思います。
今回は、分析しすぎて自分の相場観に自信を持つこの危険性についてお話します。
多すぎる情報に邪魔されがち
誰もがこう言います。
確かにその通りです。
しかし、なぜかYouTube動画や多くのトレードブログなどを見ると、「これをやれば勝てる!」ようないかにも適当で無責任な言い回しをしていることが多いのが現状です。
例えばマルチタイムフレームのダウ理論、加えてローソク足のプライスアクション。
これらの解説を見ると、「市場参加者だったり相場の流れを読むのは簡単だな」と思えるはず。
しかし、実際にやってみようとすると全然勝てないし、どこが良いポイントなのかどうかも分からない。
という現象にブチ当たります。
その理由は大きく3つあります。
- YouTube等の解説では良いポイントしか掲載しない
- そもそも優位性が無い可能性もある
- 自分自身が解説を理解できていない
多くの場合、上の1つもしくは2つに該当すると思います。
情報発信者の意図や真意を見抜くためにはしっかりと検証する必要があるのですが、ネットにあふれる情報全てを検証することは無理です。
でも、仕入れた情報が頭の中に浮かんできてトレードの邪魔をする・・・ということはありますよね。
そして○○さんが解説したのに「なんで当たんないの?」と思うこともあるはず・・・・。
様々な相場理論を組み合わせても相場を当てられない
色々と勉強して、自分なりのやり方が見つかった!と自信を持つのは悪くありません。
しかし、あなたの自信度と次の相場を予測できる可能性は全く無関係である事は必ず頭に入れておくべきです。
もし、あなたの手法がトータルで勝てる優位性を持っていたとしても、次のトレードで勝てるか勝てないかはランダムな結果によるものだからです。
これを理解していない人が非常に多いです。
- 鉄板ポイントなのに負けた
- あんなに分析したのに負けた
- 絶対に勝てると思っていたのに負けた
このような感じで過剰な自信を持ってトレードすると、損切りが続いた際にメンタルをやられてしまう可能性が高まります。逆に言えば、自分は次の動きを当てられると考えるのはオコガマシイ事なのです。
なぜ次の動きを当てられない?
一生懸命ラインを引いてトレードしていると、「自分は市場参加者の考えが分かってる」と思ってしまいがちです。
ハッキリ言います。
それは単に自信過剰です。
市場参加者の考えは、市場参加者全員に意見を聞かなくては分かりません。
そして市場参加者にはヘッジファンド、中央銀行、メガバンクなど市場自体を動かすことができるビッグプレイヤーもいます。
彼らは「自分は市場参加者を完全に読めているんだ!」と勘違いしているトレーダーをダマシて利益を上げることもあります。
分かりますか?
市場は偶然によって支配されています。
だから、自分がどんなに頑張ったところで勝てない時は勝てない。
それにもかかわらず、1回1回のトレードに一球入魂の全力投球して一喜一憂するのってバカバカしいと思いませんか?
トレードは当てに行かない
ここまで読んだ方は「ならどうやって勝つの?」と思うことでしょう。
私の考えはこうです。
「期待値を信じてトレードを継続する」
何度も言いますが、相場は次の動きを当てることはできません。
ですが、特定の状態の時には上げやすい、もしくは下げやすいところがあります。
もちろん毎回そうなるわけではありません。
10回中6回上は上げる、そんなレベルのものです。
でもそれを継続していたら、トータルでは利益が出ていますよね。
それが本当のトレードです。
この期待値という考えを理解している人は多いと思いますが、なぜか負けると不必要にイライラしたりすることあると思います。
でもそれって、こころの奥底で「自分は当てられる」と勘違いしているのではないでしょうか?
相場は当てるのではなく、トータルで勝ちに行くものです。
これを理解できたら、ちょっとした負けも、今後何百回と続くトレードの中の一つに過ぎないと考える事はできないでしょうか?
相場理論を身につけた次のステージ
自分なりの相場理論とか考えとか手法を身につけると自信も付いて嬉しくなるものです。
でも、その自信がそのままトレード結果に反映される事はありません。
むしろ自分のトレード結果と自信とのギャップに苦しむことの方が多いと思います。
それはトレーダーとして成長するためのステップです。
ここから一皮向けてくると、自分の分析が外れることもあることを受け入れられるようになります。その時こそ相場に対しての理解が進んだときなのです。