あなたは相場についてどれだけ知っていますか?
いくら相場について詳しくても、今後どうなる動きをするのかは分かりません。
相場には絶対はありませんが、「分からない」と言う点については、間違いのない真実だと思います。
しかし、FXに関するすべてのことが「分からない」と言うわけではありません。
分かることだってあります。
「分かること」と「分からないこと」。
これを整理してやれば、トレードに関する情報の客観性と主観性が見えてきて、ひいては「何を重要視するか」が分かってくるはずです。
きっと、多くのトレーダーが相場について「分かる」と「分からない」をごちゃまぜにしてトレードしているんじゃないかと思います。
これをやってしまうと、無駄に後知恵が働いて都合よく解釈したり、無駄に自信を無くしたり・・・となってしまいます。
そこで今回は相場について「客観的に分かること」と「分からないこと」について考えてみたので是非ご覧ください。
指標について「分かること」と「分からないこと」
指標についての分かること
指標については「いつ」「何の」指標が発表されるのかは完全に知ることができます。
FX業者のサイトや羊飼いさんのサイトでは、当日の指標と発表時間が記されています。
サイトによっては、指標の重要度も書かれているので、それも参考になります。
指標の重要度によってスプレッドの開き方や値動きの大小についてはある程度予測できます。例えば、FOMCやアメリカ雇用統計などのインパクトは強烈です。これも事前に「分かる」と言えるでしょう。
発表については、基本的には遅れることもなく発表されるので、狂っていない時計を使っていれば、正確に発表のタイミングが分かります。
指標についての分からないこと
指標について、は予測値や前回の値は分かるものの、今回発表される数値は分かりません。
また、発表された数値に対して、相場がどんな反応を見せて、どんな動きをするのかもわかりません。
例えアメリカの指標がポジティブであったとしても、素直にドルが買われる時もあれば、逆に失望となって売られる時もあります。ネガティブ、ポジティブ、サブライズかどうかを含め、全てはその時の相場次第です。
要人発言についての「分かること」と「分からないこと」
要人発言の「分かる」
G8やG20などで予定されている会議なら開催時期と期間が分かります。
また、どんな議題かについても、事前に知ることはできます。
議題が金融関係であれば、要人発言で大きく短期的に動くこともあります。
この時に、事前に金融関係だと把握できていれば、もし突発的な動きが起きても「誰か何か言ったのかな?」とアタフタすることなく相場を見ていられます。
要人発言の「分からない」
世界の要人は常に意見を求められます。
新聞などの取材に応えたり、元アメリカ大統領のトランプ氏のようにツイッターで常に自分の意見を発信することがあります。
こういった時に一種の「サプライズ」的な要素で相場が大きく動くことがあります。
これについては事前に知ることはできませんし、相場がどう反応するかは動くかは分かりません。
相場の節目について「分かること」と「分からないこと」
指標や要人発言以外で相場が動くのは、「節目」です。
節目とは、多くの注文が集まっているポイントで、チャートポイントとも呼ばれるところですね。
節目(チャートポイント)の「分かる」
100円や110円などの、キリバンやラウンドナンバーとも呼ばれる数字的にキリの良いポイントは節目となり得ます。
また、そのレートまで戻して来たら、何度も跳ね返されている価格帯もロングとショートがせめぎ合う節目とし見立てることができます。
他にも、
- 史上最高値・史上最安値
- 〇年ぶりの高値・安値
- 年の高値・安値
- 月の高値・安値
- ピボットポイント
等も「明確」な節目として利用できます。
これらのレートを勢い良く突破する時には、逆のポジションが手仕舞われるのも手伝って、ブレイクアウトが発生します。
つまり、「ココが節目になりそうだ。」や「ココをぶち抜くときは美味しそうだ。」というのは絶対ではないものの、「分かる」範囲です。
節目(チャートポイント)の「分からない」
自分が「節目になりそう」と感じているポイントに到達したとしても、その後、予定通りブレイクアウトが発生するのか、それともダマシで終わるのかは分かりません。
予定通りブレイクしたとしても、どこまで続くのかも分かりません。
一発で物凄い上昇を見せるかもしれませんし、ちょろっとブレイクしたように見せて、すぐに戻ってくる可能性もあります。
現在のトレンドについて「分かること」と「分からないこと」
相場のトレンドにも「分かる」と「分からない」があります。
トレンドの「分かる」
自分自身のルールとして、トレンドの定義さえ決めておけば、現在がトレンドなのか、レンジなのかが分かります。
これはもちろん人によって違いがあるとは思います。
しかし、自分で予め決めたルールに則って決めてやれば、トレンドについては分かると言えます。
ただし、これはあくまでも客観的なトレンド判断ルールを採用する場合に限られます。
主観的で、行き当たりばったりのトレンド判定では「分からない」となることに注意です。
トレンドの「分からない」
相場の高値や安値の切り上げ・切り下げなどの明確なトレンドが発生しているのであれば、今後もその方向に向かう可能性は高いです。
しかし、いつそのトレンドが終わるのか、どこまで続くのか、いつレンジになるのか・・・になるのかは分かりません。
自分の認識・行動についての「分かること」と「分からないこと」
自分の認識や行動についての「分かる」と「分からない」があります。
この点に関して、いかに「分かる」を増やしていくかがトレードをする上で重要になります。
自分についての「分かる」
何度も「絶望」を経験をすると、どういう状況や行動の結果、絶望を生み出しているのか「分かる」ようになります。
- 損切りが続く
- 思ったように動かない
- 損切りにタッチした直後に順行する
- エントリーチャンスが来ない
こういった不快感に繋がる現象が起きると、イライラしたりしますよね。
イライラすると、何か行動に出てきたりします。
ため息が多くなったり、貧乏ゆすりが激しくなったり、何かを叩いたり・・・・。
不快な気持ちが溢れそうな時や、調子が良すぎて心が緩んでいる時。
「絶望」のスタート地点は往々にしてこの状態にあります。
これに気づいて、トレードを休むなどの適切な行動を取れたら、絶望を回避できるわけです。
つまり、自分のコントロールの部分も分かるようになります。
自分についての「分からない」
自分について「分からない」部分も多分にあります。
ちょっとしたミスだったり、勘違いだったりで不必要な損失を出してしまうことがあります。
自分のことというのは、自分で思っている以上に多いです。
つまり、実際にどのような行動に出るのかは完全に把握できないんです。
でも、経験を積むにつれ「分かる」ことが増えてくるし、その「分かる」ことに対して自分の行動をコントロールするための方法もわかってきます。
自分の分からないことを知る、自分をコントロールする方法を知る、自分をコントロールする重要性を知る。
これらについては、最初は分からなくても、経験を積むことで分かることになるでしょう。
まとめ
今回は相場について「分かること」と「分からないこと」についてきました。
細かく考えていけば、本当に沢山のことについて「分かる」「分からない」があるなぁと感じました。
例えば損切り。
損切りは絶対に「分かっておく」必要がありますよね。
その一方で利食いについては、利食いルールはあってもその時の相場に任せたりするスタイルもアリだと思っています。そういった意味では利食いは「わからない」。
こんな感じで、自分のトレードについて分かること、分からないことを明確にしておくと、トレードがしやすくなったり、思考がクリアになると思います!