
勝てるトレーダーになるために知っておくべきことのシリーズ第3弾です。
前回までの記事を読んでいない方は下のリンクからご覧ください。
前回の記事では、右肩上がりの損益曲線を描くには、勝率と平均利益・平均損失のバランスが重要であるという結論に至りました。
勝率が高ければ良いだけではなく、あくまでも利益と損失のリスクリワードレシオも一緒に考えてやる必要があるわけですね。
そのバランスが取れたトレード手法の「型」として
- 値幅追求型(損小利大の低勝率)
- 勝率重視型(損小利小の高勝率)
のどちらかのスタイルを追及していくことで、綺麗な右肩上がりの損益曲線が描けるのです。
どちらを選択しても利益を残すことは可能ですが、それぞれのタイプではトレードの思想や狙うべきチャートの形、損切りポイントから利益の幅まで、あらゆることが異なってきます。
この2つの型について戦略を考えていきましょう。

でも、それは最低でもトータルで勝てるようになってから求めるべきハイレベルな話です。
値幅追及型
まずは値幅追求型のトレードスタイルについて考えていきましょう。
このタイプのトレードスタイルで目指すべき損益曲線は以下のようになります。
ビュンと伸びてゆっくり落ちて、またビュンと伸びる、といった感じですね。
このような損益曲線を描くためには、トレードを損小利大に設計していくことが重要です。つまり、勝率はそれほど高くなくてもよいが、大きく利益を獲得できるような局面でエントリーしていくことが必要となります。
では、そのような局面とはどういったポイントでしょうか?
それはもちろんトレンド相場です。
相場は常にレンジとトレンドを繰り返して推移しています。
ある一定のレンジ帯を突破したらトレンドが発生し、そのトレンドが崩れるまで相場は同方向に進みます。そして、トレンドが崩れたら再びレンジ状態に入るか、逆方向へのトレンド転換が起きます。
このように相場はレンジ⇒トレンド⇒レンジを常に繰り返しています。
レンジ相場では買い手と売り手が拮抗しています。そのため、価格が大きく動くことはありません。
価格が大きく動くのは、買い手と売り手の攻防に決着が着いた時で、この時に価格はレンジ帯を突破し、一方向へ大きく動いていきます。
相場がこのようなメカニズムで動いている以上、レンジ相場の中で値幅追求型のトレードを行っても、損小利大は実現できません。
そのため、値幅追及型のトレードスタイルは、レンジ帯を抜けた後のトレンド発生中に、トレンド方向へのポジションを持つことが必須になります。。いわゆるトレンドフォロー(順張り)です。

損小利大の基本です。
勝率重視型
勝率を重視して、勝ち負けを繰り返しながらコツコツと利益を増やしていく場合の損益曲線は以下のようになります。
損小利大の利益追求型と比べると、波の振幅が細かくなりやすいのがこのタイプの特徴です。
勝率を重視して細かい利益を積んでいくタイプのトレードスタイルを選択した場合、右肩上がりの損益曲線を描きやすい局面というのは、レンジ相場になります。
細かい利益を積んでいくことを考えたときに、値幅はそれほど重要な要素ではありません。
なので、相場がレンジ状態でもトレードしていくことは可能です。
むしろトレンドが発生しているときは、価格が大きく動いている状態ですから、小さな値幅を狙ったトレードを行うのは利にかなっていません。
また、相場がレンジ状態のときは、価格はレンジ上限と下限を往復しやすいという特徴があります。そのため、必然的に、このタイプのトレードは逆張りで攻めることになります。
しかし、このタイプのトレードスタイルは1回の大負けが致命傷となってしまう場合がありますから、レンジ状態だからといって、闇雲にエントリーしても勝率は上がりませんん。

重要なのは型とエントリー方法の整合性
値幅追及型は順張り、勝率重視型は逆張り。
右肩上がりの損益曲線を描こうとした場合、このどちらかでトレードしていくことになります。
どちらのタイプを選択しても利益を出していくことは可能ですが、重要なことがひとつだけあります。
それは、相場の局面と自分のエントリー方法に整合性が取れているかです。
例えば、今の相場状況がレンジと判断した場合、逆張りでエントリーを行い、細かい利食いをするべきです。決して順張りのエントリーを行ったり、大きな値幅を狙いにいったりはするべきではありません。
同様に、現在の状況がトレンド中と判断した場合、やるべきことは順張りのみで、決して逆張りをすべきではありません。加えて、順張りでエントリーをしたならば、少し利益が出たからといって、薄利で利食いをすべきではありません。
今現在、FXで勝てていない方はこれが徹底できていない方が多いです。
レンジと判断して逆張りでポジションを持ったにもかかわらず、利が乗り出したら急にブレイクを期待して結局利益を飛ばしてしまう。
トレンドフォローのエントリーをしたにもかかわらず、少し利がのっただけで、マイナス決済することを怖がって薄利で利食ってしまう。
現在はレンジ中なのに、トレンドフォローのエントリーポイントでポジションを持ってしまう。トレンドが発生しているのに、闇雲に逆張りを行い、連敗を重ねる。
思い当たることも多いと思いますが、これらは全て、相場状況とトレード方法が矛盾していることが原因です。
トレンド中に逆張りを行っても決して勝てません。
今の自分のエントリーはどういうものなのか。
これをきちんと把握した上で、適切な方法を選択していきましょう。
